ボロ家が売れない5つの理由は?直さずに手放す現実的な方法を解説【瑕疵別】

「相続した実家に雨漏りや傾きがある」「シロアリや旧耐震を理由に不動産会社から『これは難しい』と渋られた」。

そんなボロ家を抱えたまま、内見すら入らず、維持費と不安だけが続いてはいないでしょうか。

結論から言うと、ボロ家でも、直さずに売却できる可能性はあります。状態を理解した買主や買取業者と条件が合えば、そのまま引き渡せます。

実は、ボロ家が売れない原因は「築年数が古いから」だけではありません。

雨漏り・傾き・シロアリ・旧耐震・違法建築といった建物の瑕疵(欠陥)ごとに、売れない理由も現実的な手放し方も変わります。

売れないからといって、先にリフォームや解体をすると、かけた費用を売却価格で回収できないことがあります。

まずは今の状態で売れる価格と条件を確かめ、工事をするか判断しましょう。

この記事の監修者

株式会社AlbaLink(アルバリンク)

空き家や共有持分、再建築不可物件、事故物件、ゴミ屋敷など、売れにくい不動産の買取を専門とする不動産会社。

豊富な実務知見をもとに、当記事の監修・作成協力を行っています。

  • 東証グロース上場企業
  • 年間相談件数25,000件超(2025年実績)
  • 全国の不動産に対応
目次

ボロ家が売れない5つの理由|傷み・費用・ローン・法律・需要

ボロ家が売れない主な原因は、築年数そのものよりも、建物の物理的な傷みと法律への適合状況にあります。

買主が気にするのは、購入後に安全に住めるか、工事にいくらかかるか、住宅ローンを利用できるかという点です。

買い手がつかない家では、建物の状態だけでなく、資金や土地の条件が重なって買い手を見つけにくくなっています。

ボロ家が売れない理由は、大きく次の5つに分けられます。

ボロ家が売れない5つの理由
  • 雨漏り・傾き・シロアリなどがあり、建物の安全性を心配される
  • 修繕費の見通しが立たず、買主が購入後の総額を判断できない
  • 住宅ローンの条件に合わず、購入できる人が限られる
  • 違法建築や再建築不可などで、建て替え・利用に制限がある
  • 土地の需要に対して、希望する売却価格や条件が合っていない

ボロ家とは築古で老朽や傷みが進んだ家のこと

ボロ家に法律上の明確な定義はありません。

一般には、築数十年が経過し、雨漏り・傾き・設備の故障などで、そのままでは快適に住みにくくなった家を指します。

「ボロ屋」「古家(ふるや)」とほぼ同じ意味で使われます。

築年数が古いこと自体は、必ずしも売れない理由にはなりません。立地に需要があれば、古い家でも「土地目当て」で買い手がつくことは珍しくありません。

たとえば、古い家でも土地に需要があれば、解体を前提に購入を検討する人がいます。

反対に、見た目をきれいにしても、建て替えできないことや周辺の需要は変わりません。

住宅ローンの条件に合わないと買い手が限られる

ボロ家が売れない背景には、買主が利用できる住宅ローンの選択肢が狭くなる事情もあります。

仲介(不動産会社が売主と買主を仲立ちする売り方)で家を買う人の多くは、住宅ローンを利用する一般のマイホーム購入者です。

傷みが激しい家や法令上の制限がある物件では、担保評価や住宅ローンの商品条件によって、希望額を借りられないことがあります。

借入れが難しいと、買主にはより多くの自己資金が必要です。

数百万円から一千万円超を現金で用意できる個人は多くありません。そのため、売れない期間が長引く場合があります。

「古い家だから融資は無理」と決めつけず、どの条件が審査に影響しているか確認しましょう。

「住宅ローンが残っていても売れるのか」と不安な方もいますが、売却代金や自己資金でローンを完済できれば売却は可能です。

売却代金だけで返済しきれない場合は、自己資金で補えるかを確かめ、難しければ売り出し前に借入先へ相談してください。

抵当権をどう抹消するかも含めて進め方を決めます。

旧耐震というだけで、すべての住宅ローンが利用できなくなるわけではありません。

フラット35にも、所定の耐震評価基準等を満たす中古住宅を対象とする仕組みがあります。

出典:住宅金融支援機構「対象となる住宅・技術基準」

不具合や修繕費が分からないと契約に進みにくい

買主が修繕費を見積もれず、購入を決められないこともあります。

売主にとっては、引き渡した後の契約不適合責任にも注意が必要です。

契約不適合責任とは、引き渡した家が契約の内容に適合しない場合に、売主が買主へ補修費用の負担や損害賠償などの責任を負うことです。

雨漏りやシロアリ被害があっても、その内容を契約に反映して引き渡す場合と、説明していない不具合が後から判明する場合とでは扱いが異なります。

「現況のまま売る」と伝えるだけで、売主の責任がなくなるわけではありません。

「雨漏りが直っていない」「床下がシロアリで傷んでいた」と指摘され、あとから多額の補修や賠償を求められることもあるのです。

買主側もこのリスクを警戒するため、状態の悪い家ほど買い控えが起きやすくなります。

把握している不具合を伝え、修繕の負担と免責の範囲を契約で決めることが大切です。

出典:e-Gov法令検索「民法」第562~564条・第572条

立地が原因なら建物を直す前に手放し方で選ぶ

買い手がつかない理由を、不動産会社から「古いから」とだけ説明されているなら、周辺の成約事例や問い合わせの状況も聞いてみましょう。

一方で、建物ではなく立地・需要が原因のこともあります。

人口が減っている地域や、そもそも住宅の需要が乏しいエリアでは、家がきれいでも買い手がつかないことがあります。

立地が主な原因なら、リフォームや解体にお金をかけても売れやすさはあまり変わりません。

この場合は「直す」より「どう手放すか」を先に考えるべきです。

ボロ家が売れない理由は瑕疵の種類によって大きく異なる

ボロ家が売れない原因は瑕疵の種類ごとに異なり、現実的な手放し方も変わります。

同じボロ家でも、雨漏りの補修が必要な場合と、建て替えに制限がある場合とでは、買主の負担が違います。

売れない理由を確かめるときは、傷みの範囲、住宅ローンの見込み、補修費を売却価格で回収できるかをあわせて確認します。

スクロールできます
建物・土地の状態買主が気にすること直さず売るときの確認
雨漏り柱・梁の腐食、原因不明の漏水発生場所・時期、修繕履歴を伝える
傾き不同沈下や地盤改良の費用測定・調査の有無と結果を伝える
シロアリ駆除だけで済むか、構造材の交換が必要か被害範囲・駆除履歴を伝える
旧耐震耐震性能、融資の条件建築確認日・耐震診断の有無を確認
違法建築・既存不適格是正の必要性、建て替え後の規模違反と既存不適格を区別して確認
再建築不可建て替えの制限、融資の見込み道路の種類・接道状況を行政窓口で確認

雨漏りのある家は躯体の腐食を疑われ敬遠される

雨漏りが起きている家は、天井や壁のシミ以上に「見えない部分の傷み」を警戒されます。

雨水が長期間入り続けると、柱や梁などの躯体が腐食し、耐久性が落ちている可能性があるからです。

買主は「補修にいくらかかるか読めない」と感じると、値引きを強く求めるか、購入自体を見送ります。

雨漏りを隠したままボロ家を売ると、契約内容との食い違いが問題になるおそれがあります。

今も漏れているのか、修繕後は止まっているのかを分けて伝えてください。

雨漏りがあるからと諦める前に、発生場所の写真や修繕の記録をそろえると、現況のまま売る条件を相談しやすくなります。

傾いた家は地盤や不同沈下を疑われ買主がつかない

家が傾いていると、買主は建物だけでなく地盤そのものを疑います。

地盤が弱くて建物が不均一に沈む「不同沈下」が原因の場合、土地の改良まで必要になることがあり、費用が読みにくいためです。

傾きの程度によっては住宅ローンの担保評価にも響きます。

家の傾きが気になる場合は、床だけの変形か、基礎や地盤の問題かで工事の内容が変わります。

建具の不具合やひび割れ、過去の調査記録を伝え、原因が不明なら不明のまま相談してください。

シロアリ被害の家は構造の強度不安で売れにくい

シロアリ被害のある家は、床下や柱が食害を受け、建物の強度が落ちている懸念から敬遠されます。

被害が表面から見えにくいため、買主は「どこまで進んでいるか分からない」不安を抱きます。

駆除だけで済むのか、傷んだ構造材の交換まで必要なのかで費用が大きく変わります。

被害が構造に及んでいる場合は、直して売るより現況のまま買い取ってもらうほうが合理的なこともあります。

シロアリ被害のある家で伝えること
  • 被害を見つけた場所と時期
  • 駆除を実施した時期・業者・保証書の有無
  • 床下や柱の交換など、補修した範囲

旧耐震の家は耐震不安とローン審査で敬遠される

旧耐震とは、1981年(昭和56年)6月1日の新耐震基準の施行前に適用されていた耐震基準を指します。

旧耐震の家は、現行の新耐震基準の家に比べて地震への強さが十分でない可能性があるため、売れにくい原因になり得ます。

ボロ家がどちらの基準で建てられたかは、完成した年だけでなく、建築確認の日付などで確かめる必要があります。

問題は不安だけではありません。

旧耐震の家は金融機関が担保として評価しにくく、住宅ローンの審査が通りにくい傾向があります。

ただし、旧耐震だから必ず売れない、住宅ローンが一切使えない、とは言い切れません。耐震性能の確認や改修の有無によって、検討できる融資や買主は変わります。

耐震改修には費用がかかるため、改修して売るか、現況で手放すかの見極めが必要です。

旧耐震の家でも、賃貸需要があり、購入後の改修費と家賃収入が見合えば、収益物件として購入を検討する投資家がいます。

ただし、家賃を下げれば必ず入居者が集まるわけではないため、その地域で貸せる見込みも査定時に確認しましょう。

出典:住宅金融支援機構「中古住宅の技術基準」

違法建築と既存不適格では売れない理由が異なる

増築で建蔽率・容積率を超えたなど、法令に違反している建物と、建築当時は適法でも後の法改正などで現行基準に合わなくなった「既存不適格」は別の状態です。

違法建築では、違反部分の是正や融資の条件が取引の障害になります。

一方、既存不適格では、どの規定が適用除外となっているか、増改築や建て替えの際に何が変わるかを確認します。

現在の建蔽率・容積率に合わせると、建て替え後の建物が小さくなる場合もあります。

判断を急がず、建築確認済証や増築の記録をもとに、不動産会社と自治体の建築担当窓口へ確認してください。

出典:国土交通省「既存建築物の活用の促進について」

再建築不可の家は建て替えの制限で売れにくい

再建築不可物件とは、今の建物を解体すると新しく建て替えられない土地・建物のことです。

主な原因は接道義務を満たしていないことです。

都市計画区域・準都市計画区域内では、敷地は原則として建築基準法上の道路に2m以上接する必要があります。

道路は原則幅員4m以上ですが、一定の幅員4m未満の道路など、法律上認められるものもあります。

接道などの条件を満たさず再建築できないボロ家は、購入後の使い方と住宅ローンの選択肢が限られます。

ただし、接道の例外認定・許可などを検討できる場合もあり、現地の見た目だけでは判断できません。

再建築不可が理由で売れない場合は、利用条件を確認したうえで、賃貸や改修に慣れた買主、専門の買取業者へ相談する方法があります。

再建築不可のボロ家は、解体しても同じ場所に新築できるとは限りません。

売れないからと先に壊さず、接道や建て替えの可否を確認してから判断してください。

出典:裾野市「建築基準法で定義される道路と接道義務」

売れないボロ家を手放すための現実的な6つの方法

売れないボロ家を手放す方法は、以下の6つです。

  • 現況のまま売る
  • 古家付き土地として売る
  • 解体して更地にする
  • 一部リフォーム
  • 専門業者の買取
  • 隣地への売却

傷みが大きいほど、直さず現況のまま買い取ってもらう方法が現実的な選択肢になります。

ボロ家が売れないときは、売却価格の高さだけでなく、工事費を先に用意できるか、いつまでに引き渡したいかも考えて選びましょう。

スクロールできます
売り方向いている条件売主の工事費・主な注意点
現況のまま仲介住宅需要があり、買主が修繕を検討できる先に工事をしない。売れる時期は買主次第
古家付き土地土地に需要があり、買主が解体を検討できる先に解体しない。解体費を考慮した値引きもある
解体して更地建て替え可能で、土地の売却が見込める解体費を先に負担。税負担も確認
一部リフォーム工事による価格上昇や成約への効果が見込める費用を回収できない工事は避ける
専門業者の買取傷みが大きい、工事や片付けを省きたい現況引き渡しの条件次第。価格に工事費等を織り込む
隣地への売却隣地所有者に土地を広げる希望と資金がある合意が前提。価格・境界・費用負担を確認

①現況のまま古家として仲介に出して売る

現況のまま古家として売るとは、解体もリフォームもせず、今の状態で買い手を探す方法です。

メリットは、解体費用やリフォーム費用の持ち出しがないことです。

傷みが比較的軽く、立地に住宅の需要があれば、「そのまま住みたい」「安く買って自分で直したい」という買主が見つかることもあります。

デメリットは、契約不適合責任のリスクが残ることと、状態が悪いほど買い手が限られることです。

内見で傷みが目立つと、値引き交渉を受けやすくなります。

②古家付き土地として仲介に出して売る

古家付き土地とは、古い建物を残したまま「土地」として売り出す方法です。

買主の多くは建物を解体して使う前提で検討します。

メリットは大きく2つあります。

まず、解体費用がかからないため、売り出しにあたっての持ち出しがほとんどありません。

次に、住宅用地の特例の要件を満たしていれば、更地にせずに売り出す間も土地の固定資産税の軽減を受けられます。

建物が残っていれば、どの状態でも適用されるという意味ではありません。

一方でデメリットは、建物の価値がほとんど評価されないことです。

「解体費用の分を値引きしてほしい」と交渉されやすく、提示価格が下がりがちです。

土地そのものに需要があるエリア向けの方法といえます。

③解体して更地にしてから仲介に出して売る

建物を解体して更地にすると、買主は「すぐに新築を建てられる」「解体の手間や不安がない」と感じやすく、土地の需要が高いエリアでは売りやすくなります。

建物自体の不具合はなくなりますが、土地の境界や地中埋設物などについては、契約内容を確認する必要があります。

更地にすれば売主の責任がすべてなくなるわけではありません。

デメリットは費用と税金です。

解体には数十万~百万円単位の費用がかかり、更地の状態で翌年を迎えると土地の税負担が増える場合があります。

さらに、更地にしてから長く売れ残ると、上がった税金を払い続けることになります。

解体は「土地に確かな需要がある」と見込めるときに限るのが安全です。

先に解体してよい土地かどうかの判断基準は、次の記事で解説しています。

④一部だけリフォームしてから仲介に出して売る

外壁塗装や水回りなど、少ない費用で見栄えが大きく改善する箇所に絞ってリフォームし、買い手の印象を良くする方法です。

全体を一新するフルリフォームではなく、費用対効果の高い部分に限定するのがポイントです。

メリットは、内見時の印象が上がり、値引き交渉を受けにくくなることです。

デメリットは、かけた費用を売却価格で回収できるとは限らないことです。

とくにボロ家は「直しても立地の需要以上には売れない」ため、費用を回収できず赤字になることもあります。

売却前に工事をするなら、何を直すと誰が購入しやすくなるのか、工事前の査定で具体的に聞いてみましょう。

見栄えが良くなるだけでは、費用を回収できる根拠にはなりません。

どこまで直すべきかの判断の軸は、次の記事で解説しています。

⑤専門の買取業者に現況のまま買い取ってもらう

買取とは、買取業者(不動産買取会社)が買主となって直接家を買い取る方法です。

仲介と違い、買取業者自身が買主になるため、購入者を募集する期間を省けます。

条件がそろえば最短数日から数週間で進むこともありますが、相続や権利関係の確認が必要な物件では時間がかかります。

傷みが重く仲介で売れないボロ家でも、買取業者が改修後の利用や再販を見込めれば、現況で売却できる可能性があります。

買取で相談できる引き渡し条件
  • 雨漏りやシロアリのある状態で引き渡せるか
  • 家具や荷物を残したまま引き渡せるか
  • 契約不適合責任をどの範囲で免責にできるか

名義変更や土地の境界確定といった手間や費用を、業者側が負担してくれるケースもあります。

デメリットは、買取価格が仲介での成約価格より下がる傾向があることです。

買取業者は買い取った後にリフォームなどをして再販・活用するため、その分の費用を見込む必要があるからです。

「売れないまま管理を続けるより、価格と引き渡し条件が合えば早く手放したい」という方に向いています。

工事や片付けを自分で手配しなくてよくても、費用がなくなるわけではありません。

買取価格への織り込みと別途請求の有無を確認し、最終的な手残りで比べてください。

⑥隣地の所有者に声をかけて買い取ってもらう

隣の土地の所有者にとって、あなたの土地は「自分の敷地を広げられる」「駐車場や庭を確保できる」「日当たりや通風が良くなる」といった価値を持つことがあります。

そのため、一般の買い手より前向きに検討してもらえる場合があります。

再建築不可の土地でも、隣地と一体になれば建て替えが可能になり、隣地所有者にとって魅力的なケースもあります。

ただし、相手に購入の意思と資金があることが前提で、成立するケースは限られます。

価格交渉や境界の確認でご近所関係に気を使う面もあるので、あくまで「条件が合えば」の選択肢と考えておきましょう。

【状況別】売れないボロ家の手放し方をケース別に紹介

建物の状態以外にも、相続登記や共有者との合意が整わず、ボロ家を売れないことがあります。

名義の確認や現地対応の方法を先に決めておくと、売却の相談を進めやすくなります。

相続したボロ家はまず相続登記を済ませてから売る

相続したボロ家は、売る前に相続登記(亡くなった人から相続人へ名義を変える手続き)を済ませる必要があります。

故人名義のままでは、通常、買主へ所有権を移す登記を進められないためです。

査定や売り方の相談は、相続手続きと並行して進められます。

2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されています。

原則として、相続で所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請し、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。

2024年4月1日より前に相続したことを知っていた不動産も対象で、原則2027年3月31日までの申請が必要です。

相続人が複数いる場合は、遺言や遺産分割で誰が引き継ぐかを確認します。

建物そのものが登記されていない場合は、未登記建物の調べ方と売却方法もあわせて確認してください。

STEP
名義と相続人を確認する

登記事項証明書や戸籍を確認し、不動産の所有者と相続人を把握します。

STEP
引き継ぐ人を決める

遺言や遺産分割の内容を確認し、誰の名義で売却するかを決めます。

STEP
相続登記と売却相談を進める

司法書士等に必要書類を確認し、名義の手続きと並行して、現況で売れる条件を相談します。

出典:法務省「相続登記の申請義務化について」

遠方のボロ家は現地に行かずに売る方法を選ぶ

遠方にあるボロ家は、「片付けや立ち会いのために何度も通えない」ことが最大の壁になります。

仲介では、内見の立ち会いや設備の手直しなど、現地対応を求められる場面が少なくありません。

その点、買取であれば現況のまま・残置物もそのままで引き渡せるケースがあり、現地に足を運ぶ回数を抑えられます。

郵送やオンラインで手続きを進められる業者もあります。

遠方で手が回らない方ほど、手間の少ない方法を選ぶことが負担軽減につながります。

現地に行かず売れるかは、鍵の受け渡し、本人確認、家財の扱いなどによって異なります。

売れないボロ家を遠方から任せるなら、誰が現地対応を行い、費用を負担するかまで確認してください。

兄弟で相続し共有になったボロ家は持分だけでも売れる

兄弟や親族と共同で相続したボロ家は、共有名義になっていることがあります。

共有名義のボロ家全体を売るには、原則として共有者全員の同意が必要です。

話し合いがまとまらず、塩漬けになるケースは少なくありません。

ただし、自分の持分だけであれば、他の共有者の同意がなくても売却できます。

共有持分の買取に対応する業者もあり、もめていても自分の分だけを先に手放す選択肢があります。

持分の売却は、ボロ家全体の売却とは買主の使える権利が異なります。

全体価格に持分割合を掛けた金額で売れるとは限らず、新しい共有者が入ることも踏まえて判断しましょう。

高齢や体調で管理できないボロ家は早めに手放す

高齢や体調の事情で、草刈り・換気・見回りといった管理を続けられないケースもあります。

管理が行き届かない家は傷みが進み、近隣への危険や衛生上の問題が生じることがあります。

管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けると、土地の住宅用地特例から外れる場合もあります。

「いつか片付けよう」と先延ばしにするほど、建物の劣化と維持費の負担は積み重なります。

動けるうちに手放し方を決めておくことが、結果的に損を防ぐことにつながります。

売れないボロ家を直すかそのまま売るかは費用で判断する

かけた費用が販売価格の上昇分を超えるなら、直さず・壊さずに売るのが合理的です。

傷みの大きいボロ家では、工事費が高くなりがちです。

現況売却や買取の条件も確かめ、工事をする場合と比較してください。

保有中の税金や管理費も含めて、工事後に手元へ残る金額を比べましょう。

リフォーム費用が価格の上昇分を超えるなら直さない

リフォームの是非は、「工事費用」と「その工事で上がる売却価格」を比べて決めます。

工事費用のほうが上回るなら、直すほど損が膨らみます。

本記事を監修するアルバリンクの買取再販の実務では、フルリフォームは50~70㎡クラスで500万~700万円程度かかります。

外壁塗装や水回りの一部工事でも、100万~250万円程度かかることが少なくありません。

ボロ家は「直せば新築のように売れる」とは限らず、立地に需要がなければ費用を上乗せして売ることは困難です。

リフォームを提案されたときは、提携業者の見積もりだけで決めず、工事の範囲と、工事をしない場合の査定額も確認しましょう。

工事を提案されたら「その費用は売却価格で回収できるのか」を必ず確認しましょう。

仮に、売れないボロ家をそのまま売る価格が300万円、100万円の工事後に売れる価格が350万円なら、工事後の差引きは250万円です。

税金などほかの条件が同じなら、売値は上がっても手残りは50万円少なくなります。

売却価格の上昇分と、先に支払う工事費を分けて比較することで、売却を急ぐあまり過大な工事を選ぶのを防ぎやすくなります。

解体費用が土地の値段を上回るなら更地にしない

解体して更地で売る場合も、判断は同じです。

解体費用が土地の売却で得られる金額を圧迫するなら、解体は慎重に考えるべきです。

特に、道が狭くて重機が入らない土地や再建築不可の土地では、手作業が増えて解体費用が跳ね上がることがあります。

土地に十分な需要がない場合、「解体したのに売れない」うえに固定資産税だけ上がる、という最悪の展開もありえます。

解体費用の相場は木造で坪3~5万円が目安

解体費用は構造によって変わります。

木造で坪3~5万円程度、30坪の木造住宅で90万~150万円程度が一つの目安です。

付帯工事や残置物の撤去などを含む総額は、見積もりで確かめる必要があります。

出典:SUUMO「家を解体する費用相場」

鉄骨造やコンクリート造はこれより高くなります。

さらに、アスベスト(かつて使われた建材に含まれる有害物質)の除去が必要な場合や、残置物の撤去が多い場合は、追加費用がかかります。

あくまで相場は目安であり、実際の金額は現地の条件で大きく変わります。

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工事の種類費用の目安回収の考え方
木造の解体(30坪)90万~150万円程度解体後の売値から解体費を引き、現況売却と比較
外壁塗装・水回りの一部100万~250万円程度改修で上がる価格と工事費を比較
フルリフォーム(50~70㎡)500万~700万円程度立地に需要がなければ回収は困難

解体費用は上記SUUMOの目安、リフォーム費用は監修者アルバリンクの実務上の目安です。

地域、工事範囲、建物の状態によって総額は変わります。

現況のまま売れば工事費を先に用意せず進められる

「結局、自分で解体やリフォームをしても費用がかかる」と感じた方もいるかもしれません。

売れないボロ家でも、買主が購入後に改修や解体を行う条件なら、売主が先に工事費を用意せずに進められます。

空き家や訳あり物件に強い買取業者であれば、雨漏り・傾き・シロアリなどがあっても、現況のまま買い取れるケースがあります。

売主がリフォームや解体を発注せずに引き渡せる点が利点です。

工事費は買取価格に影響するため、費用負担の内訳は確認してください。

実際に、本記事を監修するアルバリンクでも、雨漏りやシロアリのある家を現況のまま買い取った事例は多くあります。

「これ以上お金をかけたくない」という方には、現実的な選択肢になります。

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ボロ家を解体すると固定資産税が上がる可能性がある

ボロ家を解体して住宅用地の特例が外れると、土地の固定資産税が増える場合があります。

原因は「住宅用地の特例」が外れるためです。

解体は売却先が決まってから進めると、余分な税負担を避けやすくなります。

「税金が6倍になる」という説明だけで判断せず、土地と建物を分けて、翌年度の税額を自治体に確認しましょう。

更地にすると住宅用地特例が外れるが税額は一律6倍ではない

住宅用地の特例とは、住宅が建っている土地の固定資産税を軽くする制度です。

1戸当たり200㎡までの小規模住宅用地は、固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されます。

200㎡を超える一般住宅用地の部分は、原則3分の1です。

原則として、その年の1月1日に住宅の敷地として使われていることなどが条件です。

そのため、ボロ家を解体して更地のまま翌年を迎えると、通常は特例が外れ、土地の税負担が増える方向になります。

「6倍」という説明は、課税標準を6分の1にする特例がなくなることに由来します。

実際の税額は土地の負担調整措置などでも変わるため、納税額がそのまま6倍になるとは限りません。

また、解体後は建物分の固定資産税がかからなくなる点もあります。

売れないボロ家を更地にするか判断するときは、土地と建物の合計額がどう変わるかを確認してください。

出典:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」/政府広報オンライン「空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化」

管理不全空家・特定空家は勧告で特例の対象外になる

放置された空き家は、解体しなくても特例を外されることがあります。

管理不全空家等または特定空家等として、自治体から法律に基づく勧告を受けた場合です。

特定空家等には、助言・指導、勧告、命令、行政代執行などの措置があります。

管理不全空家等への指導・勧告とは段階が異なり、すべての空き家が同じ手順で進むわけではありません。

住宅用地の特例から外れるきっかけは、単に空き家と判断されたことではなく、法律に基づく勧告を受けたことです。

実際の課税年度や適用状況は自治体へ確認してください。

ボロ家が売れないままでも、危険な箇所の対応や適切な管理は必要です。

特定空家等への命令に違反した場合は、50万円以下の過料の対象になります。

放置し続けるほど負担とリスクが増えるため、早めに手放し方を決めることが大切です。

出典:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」

解体は売却先が決まってから進めると損しにくい

固定資産税は、毎年1月1日時点の状態で課税されます。

年明け早々に解体して更地のまま売れずに年を越すと、上がった税金を余計に負担することになりかねません。

こうした失敗を避けるには、買主や引き渡しの見通しが立ってから解体するのが基本です。

解体を約束して売る場合も、工事日、引き渡し日、税負担の扱いを買主と調整します。

所有する家の税金を抑えるために、危険な建物を放置する判断は避けてください。

売れないボロ家を手放すときに注意すべき3つのポイント

契約不適合責任を免責にする・自己判断で先に工事しない・信頼できる一社に相談する、の3点が重要です。

特に契約不適合責任を免責にしないと、引き渡した後に補修や損害賠償を求められることがあります。

売れない期間が長くても、契約を急いで不具合の説明や費用の確認を省かないことが大切です。

現況で売るなら契約不適合責任を免責にする

前述のとおり、ボロ家を現況のまま売ると、引き渡し後に雨漏りやシロアリ被害などを理由に、補修費用や損害賠償を求められるリスクがあります。

このリスクは、売買契約で「契約不適合責任を負わない(免責)」と定めることで下げられます。

ただし、個人の買主相手に一方的な免責を求めると、買い控えや値引きにつながることもあります。

その点、買取であれば、買主である買取業者が建物の状態を理解したうえで買い取るため、契約不適合責任を免責にできるケースが多くなります。

「売った後に何か言われないか」という不安を抱えたくない方には、有力な選択肢です。

免責の特約があっても、売主が知りながら告げなかった事実については責任を免れません。

雨漏り・シロアリ・増築など、把握している内容を告知書や契約書へ反映してください。

出典:e-Gov法令検索「民法」第572条

解体やリフォームは自己判断で先に進めない

「売れないなら、とりあえず解体して更地にしよう」「リフォームすれば売れるだろう」と、査定や相談の前に工事を進めてしまうのは危険です。

これまで見てきたとおり、解体は固定資産税を上げ、リフォームは費用を回収できないことがあります。

再建築不可と知らずに解体すると、建て替えできない土地だけが残るおそれもあります。

接道や法令上の制限は、工事前に確認してください。

工事は「その費用を売却で回収できるか」を確かめてから判断しましょう。

STEP
売れない理由と現状を確認する

ボロ家の写真、修繕履歴、登記や建築関係の書類をそろえ、不動産会社に何が取引の障害か聞きます。

STEP
工事をしない場合の条件を確認する

現況の仲介と買取について、価格、費用負担、引き渡し時期、免責の範囲を確認します。

STEP
工事後の手残りと比較して決める

工事後の見込売却額から工事費などを差し引き、売れない期間の税金や管理費も含めて比較します。

空き家や訳ありに強い信頼できる一社に相談する

ボロ家の売却で成否を分けるのは、相談先選びです。

不動産会社によって、得意な地域や物件は異なります。

ボロ家が売れない理由を具体的に説明でき、似た状態の取引を扱ってきた相手かを確認しましょう。

大切なのは、やみくもに何社にも査定を出すことではなく、訳あり物件の買取実績がある、信頼できる一社を見つけることです。

なかには、高い査定額を提示して契約を急がせ、後から難癖をつけて金額を下げてくる業者もいます。

実績や説明の丁寧さを確かめ、納得できる相手に相談してください。

相談先を決める前に確認すること
  • 雨漏り・傾き・再建築不可など、近い条件の取引実績があるか
  • 査定額が変わる条件と、その確認時期を説明しているか
  • 残置物・登記・境界確認などの費用を誰が負担するか
  • 免責の範囲と引き渡し日を契約書で確認できるか

売れないボロ家についてよくある質問まとめ

ボロ家は本当に売れますか?

仲介で売れないボロ家でも、現況を理解する買主や専門の買取業者と条件が合えば、手放せる可能性があります。

雨漏りなどの状態だけでなく、立地の需要や建て替えの可否も確認してください。

すべてのボロ家が必ず売れるわけではありませんが、工事前に今の状態で売る方法を相談できます。

ボロ家はそのまま売るのと解体して更地にするのとではどちらがよいですか?

解体後の見込売却額から解体費を引いた金額と、現況で売る場合の価格を比べます。

更地が売れないまま翌年を迎えると、土地の税負担が増えることもあります。

再建築不可のボロ家は先に解体せず、建て替えの可否を確認しましょう。

築50年のボロ家でも売れますか?

築年数だけでボロ家が売れないと決まるわけではありません。

土地の需要、建物の傷み、買主の融資条件などが影響します。

旧耐震でも耐震性能などの条件を満たせば住宅ローンを検討できる場合があり、現況の買取も選択肢です。

ボロ家を売ると契約不適合責任を問われませんか?

契約で免責の範囲を定めることで、売主の負担を抑えられる場合があります。

ただし、現況渡しと伝えるだけでは免責にならず、知りながら告げなかった事実については免責の特約があっても責任が残ります。

買取業者が買主の場合も、不具合を伝えたうえで契約条件を確認してください。

住宅ローンが残っていてもボロ家は売れますか?

売却代金や自己資金で住宅ローンを完済し、抵当権を抹消できれば売却を進められます。

ボロ家が希望額で売れないなど、返済が不足しそうな場合は、先に借入先へ相談してください。

売却価格だけでなく、諸費用を含めて必要な資金を確認します。

まとめ|売れないボロ家でも直さず現況のまま手放せる

ボロ家が売れない原因は、築年数そのものよりも、雨漏り・傾き・シロアリ・旧耐震・違法建築・再建築不可といった建物の瑕疵と法適合にあります。

売れない理由によって、現況の仲介、古家付き土地、専門業者の買取など、検討する方法は変わります。

住宅ローンの可否も、古いという理由だけでは決まりません。

ボロ家が売れないときほど、工事前に現況での売却条件を確かめることが大切です。

原因が建物にあるなら、リフォームや解体に大金をかける前に、「その費用を回収できるか」を冷静に判断してください。

工事費を回収できないと見込まれるなら、直さず・壊さずに売るほうが手残りを確保できる場合があります。

空き家や訳あり物件に強い買取業者であれば、雨漏りやシロアリがあっても現況のまま、契約不適合責任を免責にして買い取れるケースがあります。

これ以上管理や工事の負担を増やしたくない方は、売れないボロ家の状態を写真や資料で伝え、似た物件を扱ってきた会社へ相談してみてください。

提示された価格と費用負担、免責の範囲に納得できるかを確かめてから、売却を決めましょう。

この記事を書いた人

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