相続した土地が売れないまま、固定資産税と草刈りの手間だけが毎年出ていく。
仲介に出したのに、何か月たっても問い合わせすら来ない。
そんな状況で「売れない土地を手放したい」「もう、いくらでもいい」と考える方は少なくありません。
売れない土地でも、買取業者への相談や隣地への譲渡、相続土地国庫帰属制度などで手放せる可能性があります。
ただし、価格が高すぎる土地と、建築制限や需要の乏しさで買い手がつかない土地では、選べる方法が違います。
値下げや解体を先に進めると、費用をかけても売却につながらないことがあります。
売れない土地を手放す方法は、主に以下の7つです。
- 買取業者に相談する
- 仲介を通して一般の買い手を探す
- 空き家バンクに登録して引き取り手を探す
- 隣地の所有者や個人へ売却・譲渡する
- 自治体や民間の法人に寄付する
- 相続土地国庫帰属制度を活用する
- 相続を放棄する
早く管理の負担を減らしたいなら現況買取、購入希望者が見込めるなら仲介、相続した土地なら国庫帰属の要件確認が検討の出発点になります。
寄付や無償譲渡でも費用がかかることがあるため、受け取る代金だけでなく、最後にいくら手元に残るかまで比べましょう。
売れない土地に共通する5つの特徴は?
売れない土地を手放したいときは、まず「問い合わせがない理由」と「購入を断られた理由」を分けて考えると、対策を絞りやすくなります。
仲介に出しても反応がないのは、地域の需要だけでなく、売り出し価格や広告の内容が合っていないためかもしれません。
見学や問い合わせはあるのに話が止まるなら、境界や接道、建築の可否などが障害になっている可能性があります。
不動産の査定では、その土地を最終的に誰がどう使うかを想定し、活用に必要な費用を差し引いて価格を検討します。
住宅用地として難しくても、隣地と一緒に使う、駐車場にするなど、別の使い道が見つかることもあります。
- 周辺に住宅や事業用地の需要が乏しい
- 再建築不可など、建築や融資に制約がある
- 境界が不明確、間口が狭いなど使いにくさがある
- 農地・山林・市街化調整区域など、利用できる相手や用途が限られる
- 成約事例が少なく、希望価格と買い手の評価が合っていない
立地に需要がなければ値下げしても買い手はつかない
土地の価格は「その場所を欲しい人がどれだけいるか」で決まります。
駅やバス停から遠い、周辺に生活施設がない、人口が減り続けているといったエリアでは、価格を下げても検討する人自体が現れないことがあります。
購入を検討する人がいても価格が折り合わないなら、値下げは有効です。
一方、使い道を見いだせる人がいなければ、価格を下げるだけでは解決しません。
一等地なら少しの値引きで売れることもありますが、地方や郊外では、どんなに安くしても、極端な場合は0円でも引き取り手が見つからないことがあります。
値下げは、需要があるのに価格が高すぎるときの対策であって、需要そのものがない土地には効きにくい、と理解しておくことが大切です。
再建築不可や未接道の土地は買い手と融資の選択肢が限られる
再建築不可とは、今ある建物を取り壊した後に、原則として新しい建物を建てられない状態をいいます。
接道義務を満たさない土地は、その代表例です。
都市計画区域・準都市計画区域では、原則として建築基準法上の道路に敷地が2m以上接する必要があります。
道路の幅は原則4m以上ですが、幅4m未満でも同法上の道路として扱われる場合や、接道について認定・許可の例外があります。
見た目が道路でも法律上の道路ではないことがあるため、道路の種類や接する長さは、市区町村の建築担当窓口で確認することが大切です。
再建築不可の土地では住宅ローンの利用が難しくなり、現金購入や対応できる融資を利用する買い手が中心になります。
住宅を新築したい人に売りにくく、仲介では買主探しが長引くことがあります。
建て替えが難しくても、既存建物の活用や隣地との一体利用を見込める相手なら、売却を検討できます。

出典:裾野市「接道義務」
境界が未確定・形が悪い土地は仲介の土台に乗りにくい
隣地との境界がはっきりしない土地は、買主が「どこまでが自分の土地か分からない」不安を抱えます。
将来の境界トラブルを嫌って、購入をためらう買主は少なくありません。
ただし、確定測量がすべての売買で一律に義務になるわけではなく、必要な確認や費用の負担は取引条件によって変わります。
また、間口が狭い、極端に細長い、三角形など、建物を配置しにくい形の土地も敬遠されます。
広すぎる土地も、その分だけ総額が上がり、買える人が限られます。こうした使いにくさは、価格だけでは解消できません。
隣地所有者への売却や、分筆して売る方法が考えられますが、測量費や分筆後の接道条件まで確かめてから進める必要があります。

山林や農地・市街化調整区域は買取業者も敬遠しやすい
市街化調整区域は、市街化を抑制する区域で、住宅などの建築や開発に制限があります。
誰でも自由に建てられる土地ではないため、利用目的に合う買い手を探す必要があります。
農地を農地のまま売る場合は、原則として農業委員会の許可などが必要です。
住宅地や駐車場などに変えて売る場合は、転用の可否も確認しなければなりません。
山林では、境界や進入路が分からない、伐採や管理に費用がかかるといった理由で、取引が難しくなることがあります。
買取業者も、活用を見込めなければ査定や引き取りを断る場合があります。
このような売れない土地を手放したい場合は、通常の宅地と同じ売り方にこだわらず、地域の利用希望者や農林業の関係者、相続土地国庫帰属制度も含めて検討しましょう。

成約事例が少ない土地は希望価格だけで売り出さない
似た土地の取引が少ない地域では、いくらなら買い手がつくかを判断しにくくなります。
近くに売り出し中の土地があっても、その価格で売れたとは限りません。
固定資産税評価額や近隣の募集価格を、そのまま売却できる価格と考えるのも避けたいところです。
接道、形状、造成の必要性などが違えば、同じ地域でも評価は変わります。
売れない土地を手放したいのに問い合わせが続かない場合は、不動産会社に「どの用途の買い手を想定しているか」「何が購入の障害になっているか」を確認してみましょう。
値下げの前に、売却を妨げている条件と、買い手に必要な費用を把握することが大切です。
売れない土地を手放したいときの7つの対処法
売れない土地を手放したいときは、売却代金を受け取る方法と、代金を求めず引き継いでもらう方法を比べます。
相続放棄だけは、所有中の土地を処分する手続きではなく、相続そのものを受けないための選択です。
方法によって、利用できる人、引き取りの条件、費用が異なります。まずは次の順序で、ご自身が使える方法を絞りましょう。
相続放棄も考えているなら、売却を進める前に申述期限と財産全体を確認します。
既に相続した土地では、国庫帰属の対象になるかも調べます。
価格を優先して待てるなら仲介、早く引き渡したいなら買取を検討します。
無償でもよければ、隣地への譲渡や寄付も候補になります。
査定額から測量・撤去・登記などの自己負担を差し引き、国庫帰属などの持ち出し額とも比べます。
引き渡しまでの管理費と、取引が成立する条件も確認します。
| 方法 | 向いている状況 | 期間の考え方 | 主な費用・確認点 |
|---|---|---|---|
| 買取業者に相談する | 早く現況で引き渡したい | 条件が整えば最短数日~数週間 | 代金・自己負担・買取可否を確認 |
| 仲介を通して買い手を見つける | 購入需要があり、価格を優先したい | 数か月~年単位。成約の保証なし | 仲介手数料・必要に応じた測量費など |
| 空き家バンクに登録する | 地域の利用希望者を探したい | 登録から成約までの期間は未定 | 空き地の登録可否、利用料、仲介費用 |
| 隣地所有者・個人に売却・譲渡する | 土地を使いたい相手がいる | 条件の調整後、登記等を進める | 代金の有無と登記費用・税負担 |
| 自治体や民間の法人に寄付する | 自治体・法人の利用目的に合う | 受け入れ審査・協議による | 受け入れの可否、測量・登記費用 |
| 相続土地国庫帰属制度を利用する | 相続等で取得し、要件を満たす | 標準処理期間8か月。超える場合あり | 1筆14,000円の審査手数料と負担金等 |
| 相続放棄する | 財産も債務も相続しないと判断した | 原則3か月以内に申述。完了期間とは別 | 土地だけ選んだ放棄は不可 |
出典:法務省「相続土地国庫帰属制度に関するQ&A」/裁判所「相続の放棄の申述」
買取業者に売れば最短数日~数週間で手放せる
買取とは、不動産買取会社(買取業者)が自ら土地を買い取る取引のことです。
買主を探す仲介と違い、業者が直接買い取るため、買い手が見つかるのを待つ必要がありません。
名義や権利関係、売買条件が整っていれば、最短で数日から数週間で決済まで進むケースもあります。(相続登記や境界・抵当権の整理が必要なら、その分の期間を見込む必要があります。)
買い手が現れるのを待たずに済むため、いつ手放せるかの見通しが立てやすい方法です。
売れない土地を手放したい方にとって、買取業者に相談する利点はスピードだけではありません。
境界が未確定でも、残置物や古い建物が残っていても、そのままの状態で引き取ってもらえるケースがあります。
売却後に契約不適合責任(引き渡した土地に問題が見つかったときに売主が負う責任)を免除できる契約にできれば、手放した後にトラブルを蒸し返される不安からも解放されます。
一方で、買取価格は仲介で売れた場合の6~8割程度が目安とされ、仲介で売れた場合よりは安くなるのが一般的です。
ただし、これは比較できる成約価格がある場合の考え方で、需要が乏しい土地や多額の整備費が必要な土地に、そのまま当てはまるとは限りません。
安くなるのには理由があります。
業者は買い取った土地を再販・活用するために、測量や境界確定、造成、名義変更の登記、場合によっては古い建物の解体や残置物の撤去といったコストを負担します。
これらの費用と、再販できるまでの期間のリスクを見込んで買取価格を決めるため、その分が差し引かれるのです。
まとめると、買取は「1円でも高く」より「1日でも早く負担を外したい」方に向いた方法だといえます。
需要が高いエリアなら仲介で売った場合の手残りも確認し、価格の差と早く引き渡せる利点を比べて判断しましょう。
「現況渡し」と書くだけで、契約不適合責任がなくなるわけではありません。
免責に合意しても、売主が知りながら告げなかった事実などは免責の対象外です。
境界の争いや地中の埋設物など、分かっている問題は契約前に伝えましょう。
需要があるエリアなら仲介で売る方が高く売れる
仲介とは、不動産仲介会社に買主を探してもらい、見つかった買主へ売る方法です。
市場で広く買い手を募るため、需要のあるエリアであれば、買取よりも高い価格で売れる可能性があります。
自分の希望する価格で売り出せる点も、仲介のメリットです。
ただし、買い手が現れるまで売却は完了しません。需要のある土地なら数か月で売れることもありますが、需要が乏しい土地では、何年待っても売れないこともあります。
その間も固定資産税や管理の負担は続きます。売り出し中は、内覧対応や価格の見直しといった手間もかかります。
仲介が向くのは、時間に余裕があり、なおかつ需要のあるエリアの土地です。
売れない土地を手放したい時期が決まっているなら、仲介会社と売り出し後の見直し時期を決めておくとよいでしょう。
問い合わせ数や断られた理由を確認し、価格の調整で見込みがあるのか、買取や隣地への売却へ切り替えるかを判断できます。
空き家バンクやマッチングサイトで地域の利用希望者を探す
空き家バンクは、自治体などが空き家の情報を登録し、利用希望者に紹介する仕組みです。(地域によっては空き地も対象になります。)
民間の不動産マッチングサイトも売りたい人と買いたい人をつなぐ点は同じで、登録は無料または低額で、費用をかけずに買い手を探せる点が魅力です。
ただし、現状では空き家バンクは成約につながりにくいのが実情です。
多くの人は土地探しにスーモなどの大手サイトを使うため、空き家バンクの認知度は高くありません。
自治体は登録の掲載までで、販売活動や価格交渉までは支援しないことがほとんどです。登録したまま問い合わせが来ない、ということも珍しくありません。
所在地、接道、使える用途、管理状況などを具体的に伝え、問い合わせを待つ期間も決めておくと良いでしょう。
費用がかからないので登録しておく価値はありますが、これだけで手放せると期待するのは禁物です。買取など、確実性の高い方法と並行して進めるのが現実的です。
隣地所有者や個人へ売却・譲渡して引き継ぐ
売れない土地でも、隣の土地の所有者にとっては価値があることがあります。
土地を広げて建物を建てやすくしたい、駐車場や庭として使いたいなど、隣地所有者ならではの需要が生まれるためです。
まずは隣地の所有者に、購入や引き取りの意思がないか打診してみる価値があります。
打診の際は、いきなり価格を提示するより、「隣地を手放したいと考えているが、興味はないか」と意向を尋ねるところから始めると話が進みやすくなります。
相手も関心があれば、駐車場を広げたい・建物を建て替えたいといった具体的な使い道が出てくることがあります。
まとまりそうなら、境界の確認や登記の段取りは、土地家屋調査士や司法書士など専門家に相談すると安心です。
知人や親族など、その土地を使いたい個人に無償で譲渡する方法もあります。
無償で譲る場合、受け取った側に贈与税がかかる可能性がある点には注意が必要です。
また、個人間の売買・譲渡でも、名義変更(所有権移転登記)は必要で、境界の確認を求められることもあります。
測量が必要か、登記費用をどちらが負担するか、引き渡し後の不具合をどう扱うかも、合意しておきましょう。
譲渡先が見つかれば早く手放せますが、相手が現れるかは土地の条件次第です。隣地所有者に断られても、別の活用方法を持つ買取業者が見つかる可能性はあります。
自治体や法人への寄付は受け付けられないことも多い
「使わない土地なら、自治体に寄付すれば引き取ってもらえる」と考える方は多いですが、実際には自治体への寄付は原則として受け付けられないことがほとんどです。
自治体が土地を受け取ると固定資産税の収入がなくなり、管理費だけが発生するため、公共の利用目的がはっきりしない土地は断られるのが一般的です。
寄付が成立しやすいのは、道路や公園として使えるなど、自治体側に明確な利用目的がある土地に限られます。
町内会や公益法人などが受け取ってくれるケースもありますが、これも相手のニーズ次第です。法人への寄付では、相手に法人税などの負担が生じることもあります。
寄付は費用をかけずに手放せる魅力がありますが、「引き取ってもらえるとは限らない」ことを前提に、他の方法と並行して検討するのが現実的です。
民間法人へ土地を寄付すると、原則として時価で譲渡したものとして、寄付する側に譲渡所得の課税が生じる場合があります。
相手側の税負担も含め、契約前に確認が必要です。
国・自治体への寄付や一定の公益法人への寄付には非課税の取扱いがあり、寄付先によって異なります。
出典:横浜市「土地を公園用地として寄附したい場合は?」/国税庁「一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」Q2
相続土地国庫帰属制度で国に返すには要件と負担金がある
相続土地国庫帰属制度は、相続または相続人への遺贈で取得した土地を、一定の要件を満たせば国に引き取ってもらえる制度です。
2023年4月に始まった制度で、売れない土地を持て余す相続人の受け皿として注目されています。
ただし、どんな土地でも返せるわけではありません。
建物が建っている、担保権(抵当権など)が設定されている、境界がはっきりしない、崖があって管理に過分な費用がかかる、といった土地は対象外になります。
利用するには、1筆あたり14,000円の審査手数料に加え、承認後に負担金を納める必要があります。
負担金は10年分の管理費用相当額で、原則20万円ですが、土地の種類や面積によっては加算されます。
手数料は、申請を取り下げても却下・不承認になっても返還されません。
更地にするための解体費や境界確定の費用まで含めると、数十万円から数百万円の持ち出しになることもあります。費用と手間を、他の方法と比べたうえで選ぶことが大切です。
出典:法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」/法務省「相続土地国庫帰属制度に関するQ&A」
国庫帰属のために、必ず確定測量を依頼しなければならないわけではありません。
ただし、土地の範囲や境界点を明らかにし、隣地所有者との認識を確認する必要があります。
解体や測量にお金をかける前に、法務局の相談窓口で申請要件と必要な準備を確認しましょう。
相続放棄は土地だけ選んで手放すことはできない
相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産を一切引き継がないと家庭裁判所に申し出る手続きです。
原則として、自分のために相続が始まったことを知った日から3か月以内に手続きをする必要があります。
注意したいのは、相続放棄では「売れない土地だけを放棄する」ことはできない点です。
放棄すると、預貯金や自宅など、ほかのプラスの財産もすべて相続できなくなります。売れない土地以外にめぼしい財産がある場合は、慎重な判断が必要です。
また、「売れない土地を手放したい」と考えていても、すでに相続を単純承認している場合は、原則として相続放棄へ切り替えられません。
相続財産を売るなどの処分行為も、単純承認とみなされる原因になります。
期限内に調査しても判断できない事情があるときは、家庭裁判所へ期間の伸長を申し立てる方法があります。放棄を検討している段階では、契約を進める前に弁護士などへ相談しましょう。
相続放棄をした時点で土地を現に占有していた場合は、相続人や相続財産清算人に引き渡すまで保存義務が残ります。
放棄した人全員に一律に義務が残るわけではありませんが、現地を使用・管理していた事情があるなら、引き渡しまでの対応も確認してください。
出典:裁判所「相続の放棄の申述」/e-Gov法令検索「民法」第915・921・940条
【土地タイプ別】状況に合った売れない土地の手放し方
売れない土地を手放したいと思っても、再建築不可の宅地と農地では、相談先も売却条件も違います。
土地の使い道を制限している事情から、引き継げる相手を探していきましょう。
複数の条件が重なることもあります。
たとえば、田舎の土地が共有名義で、さらに境界も分からない場合は、需要の確認と権利・境界の整理を並行して進める必要があります。
| 土地のタイプ | 売却前に確認したいこと | 主な相談先・方法 |
|---|---|---|
| 田舎・地方 | 住宅以外の利用需要、隣地の意向 | 地域に詳しい会社、隣地所有者、国庫帰属の相談 |
| 再建築不可 | 道路の種類、接道、既存建物の活用 | 取扱実績のある買取業者、隣地所有者 |
| 擁壁・がけ地 | 安全性、補修履歴、建築制限 | 現況で評価できる業者、建築担当窓口 |
| 市街化調整区域 | 予定する用途で許可を得られるか | 開発許可窓口、地域の取扱業者 |
| 共有名義 | 全体売却の合意、自分の持分 | 共有者、共有持分を扱う買取業者 |
| 農地・山林 | 農地の許可、山林の境界や進入路 | 農業委員会・農地バンク、隣地・林業関係者 |
田舎や地方の土地は地域の需要と国庫帰属の要件を確かめる
田舎や地方の土地は、住宅を買いたい人が少ない地域では、仲介に出しても問い合わせが集まりにくくなります。
ただし、地方にあるだけで売れないと決まるわけではありません。
近隣の事業者に資材置き場として使いたい需要がある、隣地所有者が敷地を広げたいと考えているなど、一般の住宅購入者とは別の相手に利用価値が生まれることもあります。
遠方の売れない土地を手放したい場合は、売れにくい土地の扱いに長けた不動産会社へ、住宅以外に見込める用途も含めて相談するとよいでしょう。
田舎の土地では、空き家バンクへの登録に期待する方もいますが、前述のとおり成約にはつながりにくく、あくまで補助的な手段になります。
また、古い家が残っている場合は、解体する前に建物付きのまま売却できる条件を確認しましょう。
国庫帰属のために解体費を払うより、建物ごと買取を依頼したほうが持ち出しを抑えられるケースもあります。
再建築不可の土地は現況買取や隣地への売却を検討する
再建築不可の土地は、新築用の住宅ローンを利用したい買い手に売りにくく、用途や資金調達の選択肢が限られます。
既存建物を活用できるか、隣地と一体で使えるかによって、取引の可能性が変わります。
隣地の一部を取得して接道条件を整える方法や、建築基準法上の道路で必要なセットバックをする方法が考えられます。
ただし、後退すればどんな土地でも再建築できるわけではありません。
土地の条件を変える工事や隣地との交渉には、費用と時間がかかります。
急いで手放すなら、再建築不可の取扱実績がある業者に、現況のまま買い取れるかを確認するほうが進めやすい場合があります。
建物が使える状態なら、補修して賃貸にするなどの活用を見込める業者もあります。
解体後では同じ評価にならないため、まず建物付きの査定を受けましょう。
再建築できるかを確認しないまま建物を取り壊すと、既存建物を使う選択肢を失います。
解体の判断は、建築担当窓口の確認と、現況での査定を済ませてから行ってください。

擁壁やがけ地のある土地はやり直し費用を避けて現況買取
擁壁(ようへき)とは、傾斜地で土が崩れるのを防ぐために設けられた壁状の構造物です。
古い擁壁や、安全基準を満たさない擁壁のある土地は、買主が「作り直しに多額の費用がかかるのでは」と警戒し、売れにくくなります。
がけ地を含む土地も同様に、がけ条例による建築制限を受けることがあります。
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定された土地は、土砂災害特別警戒区域の不動産を手放す方法もあわせて確認してください。
擁壁のやり直しには数百万円単位の費用がかかることもあり、売主が負担してから売るのは現実的でないケースが多いといえます。
売れない土地を手放したいからといって、査定前に擁壁を作り直す必要はありません。
現状を前提にした買取価格と、工事後の売却見込み額から工事費を引いた金額を比べましょう。
図面や検査の資料、補修履歴が残っていれば、査定時に伝えると安全性や工事の必要性を検討しやすくなります。
擁壁に大きなひび割れや膨らみがあるなど、崩落のおそれがある場合は、売却活動とは別に安全確保が必要です。
危険な箇所へ近づかず、自治体や専門業者に対応を相談してください。

市街化調整区域の土地は用途が限られ買取業者を選ぶ
市街化調整区域では、開発や建築が制限されるため、通常の住宅地と同じように売却できるとは限りません。
既存の建物があっても、建て替えや用途変更に許可などが必要な場合があります。
一方、都市計画法上の許可基準や自治体の条例等に適合すれば、建築できる場合もあります。
土地の履歴だけでなく、買主の資格や建てる建物の用途が条件になることもあるため、所在地の開発許可窓口で確認しましょう。
「昔から宅地だった」「近所に家が建っている」という理由だけでは、自分の土地にも建てられるとは判断できません。
過去の許可書類があれば、予定する利用方法と合わせて窓口へ持参すると確認しやすくなります。
住宅として難しくても、資材置き場や駐車場などの利用を検討できるケースがあります。
ただし、造成の規制や農地転用の手続きが別に必要になることがあるため、用途を変えれば自由に使えるとは限りません。
売却先は、市街化調整区域の取引経験があり、使える用途と許可の見通しを確認できる相手から選びましょう。

相続した共有名義の土地は自分の持分だけでも手放せる
共有名義の土地とは、1つの土地を複数人で共有している状態のことです。
相続で兄弟姉妹の共有になった土地は、全員の同意がないと土地全体を売れないため、話がまとまらず塩漬けになりがちです。
意外に知られていませんが、土地全体は売れなくても、自分の共有持分だけなら、他の共有者の同意なしに売却できます。
共有持分を扱う業者に自分の持分を売れば、土地全体の売却について合意できなくても、共有関係から離れる方法を検討できます。
ただし、持分だけでは土地全体を自由に使えないため、通常は全体を売った代金を持分割合で分ける場合より、評価が低くなりやすくなります。
全員で売る余地があるかを確認したうえで、自分の持分だけを売る条件と比較しましょう。
農地などでは、持分の売却にも法令上の手続きが必要です。
また、相続土地国庫帰属制度で共有地を引き取ってもらうには、原則として共有者全員で共同申請する必要があり、自分の持分だけを国に返すことはできません。

農地や山林は農地法や管理コストを踏まえて処分する
農地を耕作に使うために売買する場合は、原則として農地法第3条の許可などが必要です。
買主には耕作する能力や体制などの要件があるため、通常の宅地のように誰にでも売れるわけではありません。
農地以外の用途に変えて売る場合は、原則として第5条による都道府県知事等の許可が必要です。
市街化区域内ではあらかじめ農業委員会へ届け出る取扱いなどもあり、所在地と利用目的によって手続きが違います。
農地が売れずに困っている場合は、農業委員会や農地バンクに、売却に対応できるか、地域に引受先がいるかを相談しましょう。
農地バンクを通じて貸し付ける方法もありますが、賃貸では所有権は移りません。
山林は、境界や進入路、樹木の状態が分からないと、買う側が管理費を見積もれません。
公図や測量図などの資料を探し、隣地所有者や林業関係者、山林を扱う業者に相談する方法があります。
相続した農地や山林も、要件を満たせば国庫帰属の対象になり得ます。
農地だから、山林だからという理由だけで、対象外と決まるわけではありません。
国庫帰属では、境界の争いや通常の管理に過分な負担を生じさせる事情がないかも審査されます。
森林は面積などによって負担金が変わるため、一般的な20万円だけを見込んで判断しないようにしましょう。
出典:農林水産省「農地をめぐる事情について」/農林水産省「農地転用許可の手続について」
売れない土地を手放さずに放置し続けるリスクは?
売れない土地を放置しても、固定資産税と管理の責任は所有者に残り続けます。
草木の繁茂や擁壁の傷みが進むと、管理に必要な作業や近隣への対応が増えることもあります。
「いつか売れるかもしれない」と待つあいだにも、確実にコストは出ていきます。
負動産とは、所有しているだけで固定資産税や管理費などの負担が続き、資産よりも負債に近い状態になった不動産のことです。
売れない土地は、この負動産になりやすい典型です。
今後も持ち続けた場合に、税金と管理費、現地に通う時間をどこまで負担できるか、家族とも話し合っておきましょう。
使わない土地でも固定資産税と都市計画税が毎年かかる
土地は、使っていなくても所有しているだけで固定資産税がかかります。
都市計画税も、原則として市街化区域内の土地などにかかります。税率の上限は0.3%で、課税区域や税率は自治体によって確認が必要です。
固定資産税は、課税標準額に標準税率1.4%を掛けて計算します。
住宅用地の特例や負担調整があるため、評価額にそのまま税率を掛けた金額と一致するとは限りません。
たとえば、固定資産税の課税標準額が300万円で、税率1.4%を適用する単純な試算なら、年間の固定資産税は4.2万円です。
この負担が、売れないあいだも毎年出ていきます。同じ税額が続くと仮定すれば、10年で42万円、20年で84万円になります。
実際には評価替えなどで税額が変わるため、長期の金額は負担を考えるための目安です。
また、都市計画税がかかるエリアなら、この負担はさらに増えます。
加えて、遠方の土地であれば、年に数回の草刈りを業者に頼めば1回あたり数千円から数万円、不法投棄されればその片付け費用と、管理の実費や手間も続きます。
売れない土地を持ち続けるかぎり、「持っているだけ」で資産が目減りしていく状態が終わりません。
売れない土地を手放したい場合は、納税通知書と草刈りなどの請求書を集め、年間いくらかかっているかを確認しておくと、処分にかける費用を判断しやすくなります。
建物付きの土地は空家の勧告で住宅用地の税の特例を失うことがある
売れない土地に古い住宅が残っている場合は、建物の管理状態にも注意が必要です。
住宅用地には固定資産税などの課税標準を軽減する特例がありますが、対象から外れると土地の税負担が増えることがあります。
小規模住宅用地は、住宅1戸につき200㎡までの部分について、固定資産税の課税標準が価格の6分の1になります。
200㎡を超える部分などとは、特例の割合が異なります。
特定空家等に加え、2023年の法改正で設けられた管理不全空家等も、改善の勧告を受けると敷地が住宅用地特例の対象から外れます。
状態が悪いと指摘された段階で、必要な管理について自治体へ確認しましょう。
「6分の1の特例が外れる」ことと、「実際の税額が必ず6倍になる」ことは同じではありません。
負担調整や自治体の取扱い、建物分の税額も関係するため、所有者が払う合計額は個別に確認する必要があります。
家を解体して更地にする場合も、翌年度の税額がどう変わるか確認しておくと安心です。
出典:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」/東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」
管理不全の土地は崩落や倒壊で損害賠償を負うことがある
土地や、その上の擁壁・建物などの工作物が管理不全のまま放置され、崩落や倒壊で他人にケガをさせたり、隣地に被害を与えたりした場合、所有者が損害賠償責任を負うことがあります。
民法第717条は、土地の工作物の設置や保存に不具合があり、他人に損害を与えた場合の占有者・所有者の責任を定めています。
占有者が必要な注意を尽くしていたときは所有者が責任を負うため、単に「注意していた」と言えば免れるものではありません。
たとえば、老朽化した擁壁が崩れて隣家を壊したり、放置した建物が倒れて通行人にケガをさせたりすると、修復費用や人身被害の賠償が問題になります。
被害によっては数千万円規模の負担になるおそれもあり、売れないままだからと安全面の対応を後回しにはできません。
遠方に住んでいて土地を管理できない場合でも、この責任は所有している限り続きます。
「使っていないから関係ない」では済まないのが、土地の所有責任です。
管理や境界の問題を先送りすると手放しにくくなる
土地の価格が必ず下がり続けるとは限りません。
ただ、人口減少などで需要が弱い地域では、値上がりを待つ間にも固定資産税と管理費がかかり続けます。
時間がたつことで、売却の準備が難しくなる場合もあります。境界を知る人と連絡が取れなくなる、草木が茂って現地へ入りにくくなる、古い建物の傷みが進むといった事情です。
売れない土地を手放したい気持ちがあるなら、売却するか決め切る前でも、登記や公図、過去の測量図などを揃え始めることはできます。
資料を確認しておけば、査定や国庫帰属の相談で不明点を絞れます。
「今は売れないから何もしない」とするより、管理を続けながら利用できる方法と必要な費用を調べておくほうが、家族の事情が変わったときにも動きやすくなります。
手放さないと子や孫に負動産を相続させることになる
売れない土地を手放さないまま所有者が亡くなると、その土地は次の世代へ相続されます。
相続する家族は、土地を使う予定がなくても、税金や管理をどうするか判断しなければなりません。
遠方に住んでいれば、現地の確認だけでも負担になります。
相続人が複数いると、誰が土地を引き継ぐか、管理費をどう分担するかで話し合いが長引くこともあります。
共有名義で引き継ぐ場合は、将来の全体売却に全員の合意が必要になる点にも注意が必要です。
相続放棄をしようにも、ほかのプラスの財産まで手放すことになり、簡単には決断できないケースもあります。
今の世代で土地を整理しておくことは、金銭的な負担を減らすだけでなく、家族に難しい判断を残さないという意味でも大きな価値があります。
売れない土地を手放すときの費用と税金は?
売れない土地を手放したいときに比べるのは、査定額だけではありません。
売却代金から自分が払う費用や税金を差し引いた手残りと、手放すために必要な持ち出しを確認しましょう。
買取でも費用の負担条件は契約によって異なり、国庫帰属では審査手数料や負担金が必要です。
無償で譲る場合も、登記や測量にお金がかかることがあります。
| 方法 | 所有者側で確認する費用 | 税金の主な注意点 |
|---|---|---|
| 買取 | 測量・撤去・登記等を誰が負担するか | 譲渡所得が出れば課税。買取代金と経費を確認 |
| 仲介 | 仲介手数料、測量、必要な撤去・登記等 | 譲渡所得が出れば課税 |
| 個人への無償譲渡 | 登記、必要な測量等の分担 | 受け取る側に贈与税等が生じる場合あり |
| 自治体・法人への寄付 | 受入条件に応じた測量・登記等 | 民間法人への寄付は寄付者の譲渡所得にも注意 |
| 相続土地国庫帰属制度 | 審査手数料1筆14,000円+負担金+必要な準備費 | 通常の売却代金は受け取らない |
| 相続放棄 | 収入印紙1人800円、郵便料、証明書等 | 財産全体を相続しない。専門家報酬は別 |
相続放棄を自分で進める費用は必要書類等を含め数千円程度から、専門家へ依頼する場合は報酬が数万円以上かかることもあります。
案件の内容と依頼範囲によって異なるため、総額を事前に確認してください。
国庫帰属制度は審査手数料と負担金で数十万円かかる
国庫帰属では、まず1筆あたり14,000円の審査手数料がかかります。
申請を取り下げた場合や、却下・不承認となった場合も、審査手数料は返還されません。
承認後の負担金は20万円を基本としますが、すべての土地がこの金額で済むわけではありません。
市街化区域や用途地域が指定されている地域内の宅地、一部の農地は面積による算定となり、森林にも別の算定式があります。
たとえば、面積算定の対象となる宅地が200㎡なら、負担金は793,000円です。
この場合、1筆の審査手数料と合わせて807,000円となり、解体や測量などが必要なら別途費用がかかります。
売れない土地を手放したい場合は、「20万円で国に返せる」と決めず、所在地・地目・面積を伝えて負担金の見込みを確かめましょう。
建物が残っていれば解体が必要です。
木造家屋でも100万円前後、規模や立地によってはそれ以上かかるため、国庫帰属の費用と現況買取の条件を比べて判断することが大切です。
負担金は、金額の通知が到達した日の翌日から30日以内に納める必要があります。
期限までに納付しないと承認は失効します。
建物の解体などを進める前に、申請の要件と支払総額、納付できる資金を確認しておきましょう。
出典:法務省「相続土地国庫帰属制度の負担金」
出典:法務省「相続土地国庫帰属制度のご案内」負担金の算出方法
出典:法務省「相続土地国庫帰属制度に関するQ&A」
更地化や境界確定に数十万~数百万円かかることがある
仲介で売る場合や国庫帰属制度を使う場合、更地化や境界確定の費用が売主の負担になることがあります。
古い建物の解体費は、木造で1坪あたり3万~5万円、30坪なら90万~150万円程度が一つの目安です。
重機が入りにくい土地、廃棄物や付帯工事が多い現場などでは、さらに費用がかかります。
土地の境界を確定する測量(確定測量)にも、数十万円規模の費用がかかることがあります。
隣地所有者の立ち会いが必要で、時間もかかります。
解体や測量を先に依頼しても、その費用を売却価格に上乗せできるとは限りません。
買主の条件や制度の要件に照らし、本当に必要な作業かを確かめてから発注しましょう。
国庫帰属でも、確定測量が一律の必須条件ではありません。
売買では境界確認の方法や費用負担を合意できる場合もあるため、先に見積もりだけを取り、相談先に必要な範囲を確認する進め方ができます。
売却益が出れば譲渡所得税がかかる
土地の売却で譲渡所得が生じると、所得税・復興特別所得税・住民税がかかります。
税金は売却代金全体ではなく、取得費や譲渡費用などを差し引いた利益に対して計算します。
課税譲渡所得は「売却代金-取得費-譲渡費用-適用できる特別控除」で計算します。
原則の合計税率は、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超える長期譲渡で20.315%、5年以下の短期譲渡で39.63%です。
特例が使える場合は計算が変わります。
売れない土地を手放したいからと安く売っても、取得費が小さければ利益が生じることがあります。
先祖代々の土地などで取得費が分からない場合は、売却代金の5%を概算取得費とする取扱いがあるため、購入時の契約書や領収書が残っていないか探してみましょう。
相続した土地は、原則として亡くなった方の取得費と取得時期を引き継ぎます。
相続した直後の売却でも、必ず短期譲渡になるわけではありません。
譲渡所得が出なければ、その売却に対する譲渡所得税は生じません。
ただし、使える控除や申告の要否は個別の事情で変わるため、契約前に税務署や税理士へ確認しておくと手残りを把握しやすくなります。
出典:国税庁「長期譲渡所得の税額の計算」
出典:国税庁「短期譲渡所得の税額の計算」
出典:国税庁「相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」
処分費が売却額を上回る有料引き取りになる土地もある
土地の需要が乏しく、整備や管理に必要な費用が価値を上回ると、売却代金を受け取る取引が成立しないことがあります。
所有者が費用を払って所有権を引き継いでもらうのが、有料引き取りです。
売却自体は成立しても、解体や登記などの自己負担が代金を超えれば、手元からお金を出すことになります。
有料引き取りの見積もりと売却後の手残りは、どちらも最終的な収支で比べましょう。
造成や擁壁の補修に多額の費用がかかる、重機が入らず解体費が高くなるような土地は、持ち出しになりやすくなります。
再建築不可というだけで解体費が上がるのではなく、進入路や作業条件などが費用を左右します。見積もりでは、何の作業にいくらかかるかを確認することが大切です。
たとえば、税金と管理費が年6万円かかり、今後10年間も利用・売却できないと仮定すると、支出は計60万円です。
引き取り費用を考える際は、このような保有費用に加え、現地へ通う手間や引き渡しまでの期間も比べます。
この試算は費用の比較例で、10年後の売却価格や管理費を予測したものではありません。
急いでいる場合でも、費用を払うことで何が完了する契約なのかを確認しましょう。
「引き取り」と説明されていても、実際は管理を代行するだけで所有権が移らない契約では、土地を手放したことになりません。
誰に所有権を移すか、登記をいつ完了するか、追加費用や不成立時の返金条件を契約書で確認してください。
買取なら測量や残置物処分の費用を負担してもらえる場合がある
売れない土地を手放すときの費用のうち、測量・境界確定・残置物や古い建物の撤去・名義変更の登記といった項目は、仲介や国庫帰属制度では売主の持ち出しになりがちです。
これらを合計すると、数十万円から数百万円に達することもあります。
一方で、買取であれば、こうした費用を業者側が負担してくれるケースがあります。
土地の境界がはっきりしない、建物や残置物があるといった状態でも、現況を前提に引き取れる業者なら、事前の測量や片付けを売主が手配せずに済む可能性があります。
名義が亡くなった方のままでも相談はできますが、売却に必要な相続登記などの手続きは別に確認が必要です。
売れない土地を手放したいものの、準備費用が心配な方は、工事や片付けを依頼する前に、現況のままで相談してみるとよいでしょう。
- 提示された買取価格から、売主負担の費用が別に差し引かれるか
- 測量・撤去・登記の手配と費用を、それぞれ誰が負担するか
- 追加費用が生じる条件と、決済・引き渡しの予定日
- 知っている問題を伝えたうえで、契約不適合責任をどう定めるか
業者が費用を負担する場合も、その費用を見込んで買取価格が決まります。
「費用負担なし」という表示だけで判断せず、最後に受け取る金額と、自分が別に支払う金額を分けて確認しましょう。
売れない土地に関するよくある質問をまとめました
- 売れない土地はタダでも手放せますか?
-
相手が受け入れれば、隣地所有者への無償譲渡や自治体・法人への寄付で手放せる場合があります。
ただし、代金を受け取らなくても、測量・登記の費用や税金が生じることがあります。
相続土地国庫帰属制度にも審査手数料と負担金が必要です。
「売れない土地を手放したいが持ち出しは避けたい」場合は、現況での買取可否と自己負担の有無を相談しましょう。
- いらない土地を相続放棄すれば管理しなくてよくなりますか?
-
放棄した時点で土地を現に占有していた場合は、相続人や相続財産清算人に引き渡すまで保存義務が残ります。
相続放棄をした人全員に、一律に義務が残るわけではありません。
また、不要な土地だけの放棄はできず、預貯金なども含めて相続しない選択になります。
申述期限や、すでに単純承認していないかも確認が必要です。
- 相続土地国庫帰属制度は誰でも使えますか?
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基本的には、相続または相続人への遺贈によって土地を取得した人が対象です。
自分で購入した土地を単独で所有している場合などは利用できません。
建物や抵当権がある土地、境界に争いがある土地などは、そのままでは申請できません。
1筆14,000円の審査手数料と、地目・地域・面積などで変わる負担金が必要です。
共有地は全員での共同申請など、個別の条件も確認してください。
- 遠方にある売れない土地でも手放せますか?
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遠方でも、写真や所在地、登記の資料などをもとに査定の相談を始められる業者があります。
現地調査を業者が行い、書類のやり取りを郵送などで進められる場合もあります。
ただし、本人確認や境界の確認などで対応を求められることもあるため、どの手続きに立ち会いが必要かを先に確認すると安心です。
- 他社に断られた土地でも相談していいですか?
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相談できます。
業者によって扱う地域や土地の種類、活用方法が違うため、一社に断られても別の相手が見つかる可能性はあります。
断られた理由が分かるなら、それも伝えると確認が進みやすくなります。
売却代金を受け取れる買取なのか、費用が必要な引き取りなのかを確認し、納得できる条件で判断しましょう。
まとめ|売れない土地は費用と引き渡し条件まで比べて手放す
売れない土地を手放したいときは、値下げを繰り返す前に、需要・接道・境界・利用制限のどこに問題があるかを確認しましょう。
土地の条件に合う相手や方法を選ぶことで、手放せる可能性は変わります。
方法は、買取・仲介・空き家バンクなどへの登録・隣地や個人への売却や譲渡・寄付・相続土地国庫帰属制度・相続放棄の7つです。
価格を優先するか、引き渡しを急ぐか、相続した土地かによって候補を絞れます。
無償での譲渡や国庫帰属にも費用がかかる場合があり、相続放棄では土地だけを選べません。
代金だけでなく、自分が支払う費用と、管理を終えられる条件まで確認することが大切です。
解体や測量を先に進めず、まず現況で手放せる条件を確かめましょう。
費用や手続きに不安がある方は、売りにくい土地の買取を専門的に扱う会社へ相談する方法もあります。
所在地や手元の資料、分かっている問題を伝え、買取の可否・手残り・引き渡し時期を確認してみてください。


