再建築不可物件は買取できる?現状のまま売る方法と相場・注意点を解説

相続した実家が再建築不可だと分かった。仲介に出しても半年以上、問い合わせが一件も来ない。不動産会社に「うちでは買い取れません」と断られてしまった。

そんな行き止まりの状況で、この記事にたどり着いた方も多いはずです。

結論からお伝えします。再建築不可物件でも、現状のまま買取であれば手放せます。

ただし買取は業者によって価格差が大きく、条件次第では値が付かないこともあります。

だからこそ、相場の考え方を正しく持つことと、信頼できる業者を見極めることが何より大切です。

この記事の監修者

株式会社AlbaLink(アルバリンク)

空き家や共有持分、再建築不可物件、事故物件、ゴミ屋敷など、売れにくい不動産の買取を専門とする不動産会社。

豊富な実務知見をもとに、当記事の監修・作成協力を行っています。

  • 東証グロース上場企業
  • 年間相談件数25,000件超(2025年実績)
  • 全国の不動産に対応
目次

仲介で売れない再建築不可物件でも買取なら現状のまま手放せる理由

再建築不可物件は、仲介では売れなくても、現状のまま買取なら手放せます。

一般の買主はあえて再建築不可を選ぶ理由がないため、一般市場では買い手がつきにくいのが実情です。

一方で買取業者は、その物件を再生して投資家・実需・隣地へ売る「出口」を持つため、買い取れます。最短で数日~数週間での現金化も可能です。

再建築不可の買取は建て替えできない物件を業者が直接買い取る方法

再建築不可物件の買取とは、解体すると新しく建て替えられない物件を、買取業者が現状のまま(解体もリフォームもせず)直接買い取ることをいいます。

売主と買主のあいだを取り持つ「仲介」とは異なり、業者そのものが買主になる点が最大の違いです。

そもそも再建築不可物件とは、建築基準法上の道路に規定どおり接していないなどの理由で、今建っている家を解体すると、同じ場所に新しい建物を建てられない物件のことです。

建築基準法では、幅4m以上の道路に2m以上接していない土地には建物を建てられないと定められています(接道義務)。この条件を満たさない土地が、再建築不可物件にあたります。

なお、接道義務や再建築不可になる詳しい原因、売却方法全体の比較については、別記事「再建築不可物件の売却方法」で解説しています。

仲介で売れないのは現金で買える人があえて再建築不可を選ばないから

「なぜ仲介に出しても反応がないのか」。その答えは、買い手の側の事情にあります。

再建築不可物件は、原則として住宅ローンが使えません。金融機関が担保として評価しにくいためです。そのため買えるのは現金を用意できる人に限られます。

ところが、まとまった現金を持っている人が、わざわざ建て替えのできない土地を選ぶことは、まずありません。同じ予算があれば、条件の良い普通の物件を買えるからです。

つまり、買える人は限られ、その限られた人ですらあえて選ばない。一般の売買市場では、そもそも買い手が存在しにくいのが再建築不可物件です。

仲介はこの「一般の買い手」を探す方法なので、いくら待っても動かないことが起こります。

買取業者が買えるのはリフォームして販売する独自の「出口」を持つから

では、なぜ買取業者は買えるのでしょうか。カギは「出口」にあります。

出口とは、買取業者が仕入れた物件を最終的に「誰に・どう売るか」のことです。

買取業者は主に3つの出口を持っています。

  • リフォームして賃貸に回し、収益物件として投資家に売る出口
  • きれいに直して住みたい人(実需)へ売る出口
  • 隣の土地の所有者に買ってもらい、土地を一体化して価値を上げる出口

一般の買い手には「自分が住む」以外の選択肢がありませんが、業者は複数の出口を使い分けられます。

だから、他社が「価値がない」と断った物件にも値を付けられることがあるのです。

買取価格が安く感じられる場合でも、それは買い叩きとは限らず、この出口から逆算した結果であることがほとんどです。

買取なら最短数日~数週間で現金化でき売れ残りの不安から解放される

不動産を仲介に出す際の最大の悩みは、いつ売れるか分からないことです。

需要のない再建築不可物件では、半年どころか、何年待っても買い手がつかないこともあります。その間も固定資産税や管理の手間はかかり続けます。

買取であれば、業者と条件が合意できた時点で売却が成立します。相談から現金化まで、早ければ数日~数週間です。

「いつ終わるか分からない」状態から、「いつ手放せるか」がはっきりする。この期限が確定する安心は、金額と同じくらい大きな価値があります。

再建築不可物件を買取で売る5つのメリット

再建築不可物件を買取で売る主なメリットは、次の5つです。

  1. 解体もリフォームもせず残置物を残したまま売れる
  2. 早期に現金化でき保有コストが止まる
  3. 契約不適合責任を免責にできる
  4. 仲介手数料がかからない
  5. 周囲に知られず手放せる

老朽化が進んだ再建築不可物件ほど、これらの効果は大きくなります。

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比較軸仲介買取
売却までの期間買い手が現れるまで待つ(長期化しやすい)合意すれば成立(最短数日~数週間)
解体・リフォーム求められることがある不要(現状のまま)
仲介手数料かかるかからない
内覧対応希望者のたびに対応査定時の1回程度
契約不適合責任売主が負う免責にできるケースがある

解体もリフォームもせず、残置物を残したまま買い取ってもらえる

再建築不可物件は、老朽化が進み、家財(残置物)が残ったままのケースが少なくありません。仲介で売ろうとすると、片付けやリフォームを求められることがあります。

しかし再建築不可物件では、そもそも解体すると建て替えられなくなるため、更地にするメリットが小さいという事情があります。

さらに、重機が入りにくい立地だと解体費用そのものが高額になりがちです。

買取であれば、家具や荷物を置いたまま、傷んだ状態でも引き渡せます。

残置物の処分費用や解体費用を売主が負担せずに済むケースが多く、「片付けだけで数十万円かかる」という不安を、そのまま解消できます。

契約後は最短数日~数週間で現金化でき固定資産税や管理の負担が止まる

物件を持ち続けているあいだは、固定資産税・都市計画税、火災保険料、草木の手入れといった費用が出ていき続けます。

遠方に住んでいれば、様子を見に行く交通費や時間もかかります。

買取で早期に売却できれば、こうした保有コストがそこで止まります。

「毎年いくら出ていくのか」を数え続ける生活から解放されることは、金銭面だけでなく精神的な負担の軽減にもつながります。

契約不適合責任免責で引き渡し後のトラブル・損害賠償を負わずに済む

契約不適合責任とは、引き渡した物件が契約内容と異なる(雨漏り・シロアリ・傾きなどの不具合がある)場合に、売主が買主に対して負う、修理や損害賠償などの責任のことです。

古い再建築不可物件を一般の買主に売ると、引き渡し後に「聞いていない不具合が見つかった」として、補修費や賠償を求められるリスクがあります。個人の売主にとっては、これは大きな不安要素です。

買取では、この契約不適合責任を特約で免責(負わない取り決め)にできるケースがあります。

売った後になって責任を追及される心配がないことは、築古の物件を手放す売主にとって実利の大きいメリットです。

仲介手数料がかからず内覧対応も査定時の1回で済む

仲介で売却すると、成約時に仲介手数料がかかります。

買取では業者が直接の買主になるため、仲介手数料は発生しません。

また仲介では、購入希望者が現れるたびに室内を見せる内覧対応が必要です。

遠方に住んでいたり、片付いていない家だったりすると、この対応自体が負担になります。

買取なら、業者による査定時の確認が中心で、何度も他人を家に入れる必要がありません。

売りに出していることが近所や親族に知られずに手放せる

「売りに出していることを近所に知られたくない」「親族には内緒で進めたい」

訳あり物件では、こうした事情を抱える方が少なくありません。

仲介では、物件情報を広く公開して買い手を探すため、周囲に知られる可能性があります。

買取は業者との個別のやり取りで完結するため、広告に出さず、周囲に知られずに手放せます。

人には言いにくい事情がある方にとって、安心材料になります。

再建築不可物件の買取相場は「再販の出口」から逆算で決まる

再建築不可物件の買取相場は、同条件の再建築可能な物件の5~7割程度が目安とされます。

ただしこれはあくまで目安で、実際の買取価格は「再生後にいくらで売れるか(出口)」から、再生コストと業者の利益を差し引いた逆算で決まります。

そのため、需要のある都市部では値が付きやすく、地方や未接道の物件では大きく下がります。

買取相場は同条件の再建築可能な物件の5~7割が目安と言われる

一般に、再建築不可物件の価格は、同じ立地・広さの「建て替えできる普通の物件」と比べて5~7割程度が目安といわれます。

建て替えられないという制約の分だけ、評価が下がるためです。

ただし、この「5~7割」という数字をうのみにするのは危険です。

次に説明するとおり、実際の価格は物件ごとの振れ幅が非常に大きく、目安どおりに収まらないことが普通だからです。

ただし立地によって価格が極端に振れるため相場の○割は参考にならない

そもそも「相場」という言葉は、似た物件の取引事例が数多く積み重なり、一定の需要があってはじめて成り立ちます。

ところが再建築不可物件は、取引事例が少なく、買い手も限られるため、相場という物差し自体が成立しにくいのです。

現実には、立地によって価格が極端に振れます。

都市部で駅に近く、賃貸や投資の需要が見込める土地であれば、5~7割どころか、条件次第でもっと高く売れることもあります。反対に、地方や郊外で買い手がいない土地では、値が付かないこともあります

「○割」という目安は出発点にすぎません。自分の物件がいくらになるかは、実際に査定してみないと分からない、というのが正直なところです。

買取価格は「再生後にいくらで売れるか」からコストと利益を引いて決まる

買取価格がどう決まるかを知ると、「安く買い叩かれるのでは」という不安が整理できます。

買取業者は、まず「この物件を再生したら、最終的にいくらで売れるか(出口価格)」を見積もります。

そこから、リフォーム費用や残置物の撤去費、登記や測量の費用、そして業者の利益を差し引いた金額が、買取価格になります。

買取価格の決まり方

再販の出口価格−(リフォーム等の再生コスト)−(登記・測量・残置物処分などの諸費用)−(業者の利益)=買取価格

つまり、買取価格が仲介より下がるのは、これらのコストがあらかじめ織り込まれているからです。

理由のない買い叩きではなく、コスト構造にもとづいた金額だということです。

逆に言えば、再生の出口を多く持つ業者ほど、同じ物件でも高く評価できる余地があります(業者の見極め方はのちほど詳しく解説します)。

再建築不可物件の買取価格を左右する主な要因

買取価格を左右する主な要因を、上がる方向・下がる方向で整理します。

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要因価格が上がる方向価格が下がる方向
立地都市部・駅近・賃貸需要あり地方・郊外・買い手が少ない
接道の状況少しでも道路に接している完全な未接道(袋地)
土地の形状・間口整形地・間口が広い旗竿地(細い通路の奥に敷地がある土地)・極端な変形地
建物の状態比較的新しく再生しやすい老朽化が激しい・残置物が多い

たとえば、都内で間口が1.8mあり接道要件をわずかに満たさない程度の物件と、地方で完全な袋地になっている物件とでは、同じ「再建築不可」でも価格はまったく異なります。

なお、残置物処分・境界確定・登記にかかる費用は、買取業者が負担してくれるケースもあります。

査定額だけでなく「どこまで業者が負担するか」まで含めて比較すると、実際の手取りが見えてきます。

再建築不可物件を買取に出すデメリットと値が付かないケース

買取のデメリットは、正直にお伝えすると3つあります。

  • 仲介で売れるエリアなら仲介より価格が下がること
  • 業者によって買取価格に差が出ること
  • 費用を払って引き取ってもらう「有料引き取り」になる場合があること

それでも、保有コストと管理責任が消えるため、放置し続けるより手放すほうが合理的なケースが多くなります。

仲介で売れるエリアなら買取は仲介より価格が下がる

前述のとおり、買取価格には再生コストと業者の利益が織り込まれます。

そのため、仲介でも買い手が見つかるような立地であれば、買取より仲介のほうが高く売れる可能性があります。

これは買取の正直なデメリットです。スピードと確実性を取る代わりに、価格ではいくらか譲ることになります。

だからこそ、「自分の物件は仲介でも売れるのか、買取でしか動かないのか」の見極めが重要になります。

同じ物件でも業者によって買取価格に大きく差が出る

同じ物件でも、買取価格は業者によって差が出ます。

理由は、業者ごとに持っている「出口」が違うからです。

投資家向けの再販ルートを多く持つ業者、隣地との交渉に強い業者、そのエリアでの実績が豊富な業者。それぞれ得意な出口が異なり、同じ物件でも評価が変わります。

再建築不可物件に不慣れな業者ほど、出口を描けず低い金額しか出せない、あるいはそもそも断ることになります。

この差があるからこそ、後述する「業者の見極め」が価格に直結します。

悪条件が重なると値が付かず有料引き取りになることもある

もっとも正直にお伝えすべき点です。条件が重なると、買取でも値が付かず、逆に費用を払って引き取ってもらう「有料引き取り」になることがあります。

有料引き取りとは、売却で得られる代金よりも、処分にかかるコスト(解体費・廃棄物処理費・登記費用・税金など)が上回り、売主が費用を負担して手放す取引のことです。

これは、次の3つが重なったときに起こります。

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条件詳細
直せない建物が傷みすぎて、リフォーム費用が再販価格を超えてしまう
壊せない重機が入らないなどの事情で、解体費用が跳ね上がる
需要がないそもそもその場所に住みたい人・買いたい人がいない

「タダ同然になるのでは」という不安は、残念ながら現実になることもあります。しかし、それでも手放す意味があるのは、次に説明する理由からです。

それでも手放した方がよいのは保有コストと責任が消えるから

値が付きにくい物件でも、持ち続けるかぎり負担は続きます。判断のポイントは、金銭面と責任面の2つです。

金銭面では、固定資産税・都市計画税、火災保険料、管理の手間が毎年かかり続けます。

責任の面では、建物の傷みが進んで「特定空家」や「管理不全空家」(倒壊などの危険があるとして市区町村が指定する空き家)に指定されるリスクがあります。

※参照:空家法とは

市区町村の勧告を受けると、土地の固定資産税を軽くする住宅用地特例が外れ、固定資産税が最大で約6倍になることがあります

さらに重いのが賠償責任です。土地工作物責任とは、建物や塀などの工作物の欠陥で他人に損害を与えた場合に、その所有者が負う損害賠償責任のことです。

老朽化した建物が倒壊して隣家や通行人に被害を与えれば、所有者は注意を尽くしていてもこの責任(民法第717条)を免れにくく、死傷者が出た場合には賠償額が数千万円規模にのぼった事例も報じられています。

つまり、持ち続けること自体が「負債」になりかねません。

多少の費用を払ってでも手放すことで、この終わりのない負担と責任から解放される。それが有料引き取りでも手放す人がいる理由です。

再建築不可物件は買取と仲介どちらを選ぶべき?3つの判断軸

買取と仲介のどちらが向くかは、次の3つの軸で判断できます。

  • 立地に需要があるか
  • どれだけ売却を急いでいるか・管理が負担か
  • 再建築可能にできる余地があるか

早く確実に手放したい・遠方で管理が負担という場合は、買取が現実的です。

立地の需要|都市部で需要があるなら仲介も選択肢になる

第一の軸は、その土地に需要があるかどうかです。

都市部で駅に近く、賃貸経営や再生を目的とした投資家の需要が見込める立地であれば、仲介でも買い手が見つかることがあります。

この場合は、時間をかけてでも仲介で高く売る選択肢が残ります。

ただし、買えるのは現金を用意できる層に限られるため、一般の物件より買い手は少なく、長期戦になりやすいことは覚悟しておく必要があります。

反対に、地方や郊外で需要が乏しい立地では、仲介はほぼ機能しません。

急ぎ度と管理負担|早く確実に手放したい・遠方なら買取が現実的

第二の軸は、あなた自身の事情です。

たとえば、施設への入居を控えていて資金化を急いでいる、遠方に住んでいて庭木が道路にはみ出し近隣から連絡が来ている、相続した物件の管理に手が回らない。

こうした状況では、「いつ売れるか分からない」仲介は現実的ではありません。

期限を確定させて確実に手放せる買取が、負担の解消に直結します。

価格の最大化よりも、問題を早く終わらせることに価値がある場合です。

再建築可能にできるか|価値が上がる余地があるかを見極める

第三の軸は、その物件を「再建築可能」にできる余地があるかどうかです。

たとえば、道路の中心から後退して敷地を提供する「セットバック」や、一定の要件を満たして特定行政庁(建築確認などを扱う自治体の窓口)の認定・許可を受ける方法などで、再建築が可能になるケースがあります。

可能になれば価値は大きく上がりますが、実現できるかは物件ごとに大きく異なり、費用や時間もかかるため、過度な期待は禁物です。

この見極めは、素人判断では難しい領域です。ここで注意したいのは、複数の会社に片端から問い合わせて回ることではありません。

再建築不可物件は評価が業者ごとにぶれやすく、比較しても混乱するだけのことが多いためです。

再建築不可に強い、信頼して任せられる一社に相談し、可能化の余地も含めて現実的な選択肢を一緒に考えてもらうのが近道です。

【状況別】再建築不可物件の買取が特に向いているケース

ここまでの内容をふまえ、「自分の場合はどうか」を状況別に整理します。

仲介で売れ残っている、断られた、相続した、共有でもめている、土地だけ。いずれのケースも、再建築不可に強い買取業者への相談が現実的な選択肢になります。

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あなたの状況最初の一歩
仲介で半年以上売れていない値下げの前に買取査定で価格の下限を知る
不動産仲介会社に断られた再建築不可に強い買取業者へ直接相談する
相続した実家が再建築不可相続登記を済ませてから買取を進める
共有名義でもめている自分の持分だけの買取を検討する
建物がなく土地だけ・住めない現状のまま土地として買取に出す

仲介で半年以上売れていないなら買取査定で「下限」を知る

仲介に出して半年以上動きがないと、つい値下げを繰り返してしまいがちです。

しかし需要のない再建築不可物件では、値下げを重ねても買い手が現れず、消耗するだけのことがあります。

そんなときは、いったん買取査定を受けて「買取ならいくらになるか」という価格の下限を把握することをおすすめします。

売る・売らないは別として、下限を知っておくと、これ以上の値下げが意味を持つのかを冷静に判断できます。

仲介会社に断られたら再建築不可に強い買取業者に直接相談する

不動産会社に「買い取れません」と言われると、「この物件には価値がないのだ」と受け止めてしまいがちです。

しかし、断られた理由は価値ゼロだからとは限りません。

その会社が仲介専門で買取をしていなかったり、再建築不可物件を再生する出口を持っていなかったりするだけ、というケースが多くあります。

同じ物件でも、再建築不可に強い買取業者なら扱えることがあります。一社に断られても、あきらめる必要はありません。

相続した実家が再建築不可だったら相続登記を済ませてから買取を進める

相続した実家が再建築不可だった場合は、売却の前に相続登記(名義を相続人に変更する手続き)が必要です。

2024年4月から相続登記は義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の対象になります。

※参照:相続登記が義務化されました

登記が済んでいないと売却手続きも進められないため、早めの対応が安心です。

なお、実家の相続手続き全体については「実家の相続」で解説しています。

共有名義でもめて動けないなら、自分の持分だけの買取も選択肢になる

兄弟や親族との共有名義で、話がまとまらず動けない場合もあります。

全員の合意がないと物件全体は売れませんが、自分の持分だけであれば、他の共有者の同意なしに売却できます。

買取業者のなかには、この共有持分だけを買い取れるところもあります。

共有のまま塩漬けにするより、まず自分の持分を手放すことで、負担から抜け出せる場合があります。

共有持分の売却・買取の詳細は「共有持分の売却」をご覧ください。

建物がなく土地だけ・老朽化して住めない場合も現状のまま買取の対象になる

すでに建物を解体して土地だけになっている、あるいは建物がボロボロで住める状態にない。

こうした再建築不可物件でも、現状のまま買取の対象になります。

前述のとおり、再建築不可では解体すると建て替えられなくなるため、無理に更地にする必要はありません。

住めないほど傷んだ家でも、残置物が残ったままでも、そのまま引き取れる業者があります。

「こんな状態では相談しても無駄では」とためらう必要はありません。

再建築不可物件を買取で売る流れと査定で業者が見るポイント

買取の流れは「相談→査定→契約→決済・引き渡し」の4ステップで、最短数日~数週間で完了します。

査定でプロが見るのは、接道状況・道路の種別・建物の状態・エリアの再販需要です。

境界確定や残置物の処分、登記の費用は、買取業者が負担してくれるケースもあります。

買取の流れは「相談→査定→契約→決済・引き渡し」の4ステップ

買取の基本的な流れは、次の4つのステップです。

STEP
相談・問い合わせ

物件の住所や状況を伝えます。電話やメール、写真の送付だけでも進められます。

STEP
査定

業者が物件を確認し、買取価格を提示します。現地調査を行う場合と、資料と写真で進める場合があります。

STEP
契約

提示価格に納得できれば、売買契約を結びます。

STEP
決済・引き渡し

代金を受け取り、物件を引き渡します。

このあと、売却で利益(譲渡所得)が出た場合は、売却した翌年に譲渡所得税(不動産を売った利益にかかる税金)の確定申告が必要になることがあります。

条件が整えば、相談から現金化まで数日~数週間で完了します。

査定では接道状況・道路種別・建物の状態・エリアの再販需要を見ている

査定で業者が見ているポイントを知っておくと、なぜその価格になるのかが理解しやすくなります。

プロが重点的に確認するのは、次の3点です。

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要素詳細
接道の状況と道路の種別どの程度道路に接しているか、前面の道が建築基準法上のどの道路にあたるか。ここが再建築の可否と価格を大きく左右します。
建物の状態老朽化の程度、雨漏りや傾きの有無、残置物の量。
エリアの再販需要その立地で、投資家向け・実需向けのどの出口が描けるか。

とくに接道は要注意です。私道に接していても、図面上は道路として指定されていなかったり、現況の道幅が申請図と違っていたりして、一見接道しているように見えて実は再建築不可、というケースが実務では珍しくありません。

こうした落とし穴まで確認したうえで、業者は再販の出口を想定し、価格を組み立てています。

査定前に準備するとスムーズなのは登記関連書類・課税明細・物件写真

査定をスムーズに進めるために、手元にあれば役立つものを挙げます。

  • 登記に関する書類(登記識別情報・権利証など)
  • 固定資産税の課税明細書または納税通知書
  • 物件の写真(室内・外観)

もっとも、これらがすべて揃っていなくても査定は進められます。

よくあるのが「権利証が見つからない」という相談ですが、その場合でも手続きは可能です。遠方で写真が撮れない場合も、その旨を伝えれば問題ありません。

完璧に準備してからでないと相談できない、ということはありませんので、まずは今ある情報で問い合わせて大丈夫です。

境界確定・残置物処分・登記費用は買取業者が負担するケースもある

売却にあたっては、土地の境界確定、残置物の処分、登記の変更などに費用がかかります。

「これを全部自分で負担するのか」と不安に思う方も多いはずです。

買取では、こうした費用を業者が負担してくれるケースもあります。

たとえば残置物はそのまま引き取り、境界確定や登記の手続きも業者側で手配する、といった対応です。

査定額を比べるときは、金額そのものだけでなく「どこまで業者が負担してくれるか」まで含めて確認すると、実際の手取りで判断できます。

再建築不可物件を安心して任せられる買取業者の見極め方

再建築不可物件の買取で損をしないための業者選びの基準は、以下の3点です。

  • 再建築不可物件の買取・活用の実績
  • 接道や再建築可能化など法規制の知見と士業との連携
  • 残置物・境界・登記への柔軟な対応

加えて、高すぎる査定額を出して契約直前に減額してくる業者には注意が必要です。

複数社を比較して回るより、再建築不可に強い、信頼して任せられる一社を見極めることが大切です。

再建築不可物件の買取・活用の実績が豊富な業者を選ぶ

もっとも重要なのは、再建築不可物件そのものの買取・再生の実績です。

前述のとおり、再建築不可物件の買取価格は「業者側の出口の多さ」で決まります。

再建築不可物件を数多く手がけてきた業者ほど、投資家・実需・隣地といった出口を豊富に持ち、同じ物件でも高く評価できます。

逆に実績の乏しい業者は、出口を描けず、低い金額しか出せないか、そもそも断ることになります。

実績の豊富な業者ほど出口を多く描け、結果として高い買取価格を提示できる傾向があります。

法規制の知見と弁護士・司法書士などの連携がある業者を選ぶ

再建築不可物件は、接道義務や再建築可能化の要件など、法規制がからむ専門領域です。

こうした知識を持ち、正確に判断できる業者を選びましょう。

とくに相続や共有がからむ場合は、司法書士や弁護士といった士業との連携が欠かせません。

登記や共有者との調整をワンストップで進められる体制があれば、売主が個別に専門家を探す手間が省けます。

残置物・境界・登記など条件面で柔軟に対応できる業者を選ぶ

査定額が同じでも、売主の負担をどこまで引き受けてくれるかで、実際の手取りは変わります。

残置物をそのまま引き取ってくれるか、境界確定や登記の手続きを業者側で手配してくれるか。

こうした条件面の柔軟さは、業者の対応力を測る分かりやすい指標です。

相談の段階で、「どこまで負担してもらえるか」を率直に確認しておきましょう。

高すぎる査定額を出して契約直前に減額してくる業者に注意する

注意したいのが、相場からかけ離れた高い査定額を提示してくる業者です。

一見ありがたい話ですが、なかには高い金額で契約を取り付けておいて、契約直前や引き渡し間際になって「調査したら問題が見つかった」と難癖をつけ、金額を大きく下げてくる業者もいます。

この段階では売主も引き返しにくく、結果的に当初より安い価格で手放すことになりかねません。

提示額の根拠を説明できるか、なぜその金額になるのかを丁寧に示してくれるかを、業者を見極める物差しにしてください。

複数社比較より再建築不可に強い信頼できる一社を見極める

一般的な不動産売却では「複数社に査定を依頼して比較しましょう」とよく言われます。

しかし再建築不可物件では、この方法はあまり機能しません。

理由は、業者ごとに評価が大きくぶれるため、単純に金額だけを比べても判断しづらいこと、そして再建築不可を扱えない業者に問い合わせても断られるだけで、時間を消耗することです。

それよりも、再建築不可物件の実績が豊富で、法規制の知見があり、条件面で柔軟に対応してくれる一社を見極めて、じっくり相談するほうが、結果的に納得のいく売却につながります。

再建築不可物件の買取に関するよくある質問(FAQ)

再建築不可物件は本当に買取してもらえますか?タダ同然になりませんか?

現状のまま買取は可能です。都市部で需要のある物件なら相応の価格が付きますが、未接道・老朽化・地方が重なると値が付かず、有料引き取りになることもあります。まずは無料査定で「いくらになるか」を確認するのが安全です。

建物を解体してからのほうが高く買い取ってもらえますか?

再建築不可物件は、解体すると建物を建てられない土地になり、かえって売りにくくなります。さらに更地にすると住宅用地特例が外れ、固定資産税が上がる場合もあります。原則として、解体せず現状のまま買取に出すほうが有利です。

土地だけ(建物なし)や、ボロボロで住めない家でも買い取ってもらえますか?

いずれも現状のまま買取の対象になります。残置物を残したままでも対応できる業者があります。

他の不動産会社に断られた再建築不可物件でも相談していいですか?

相談できます。断られるのは価値がゼロだからではなく、その会社が再生の出口を持たないためであることが多く、再建築不可に強い買取業者なら扱えるケースがあります。

買取と仲介で迷っています。どちらを選べばいいですか?

都市部で現金購入層や投資需要が見込める物件なら仲介も選択肢ですが、早く確実に手放したい・遠方・管理が負担という場合は買取が現実的です。本文で解説した3つの判断軸を参考にしてください。

まとめ|再建築不可物件は現状のまま買取できる専門業者に相談しよう

再建築不可物件は、仲介では買い手がつきにくくても、現状のまま買取であれば手放せます。

一般の買い手が存在しにくい物件でも、再生の出口を持つ買取業者なら値を付けられるからです。

買取のメリットは、解体もリフォームも不要で現状のまま売れること、早期に現金化して保有コストを止められること、契約不適合責任を免責にできることなどです。

一方で、仲介より価格が下がる、業者で差が出る、条件次第では値が付かないこともある、という点は正直なデメリットです。

買取価格は「再販の出口から逆算」で決まるため、都市部では値が付きやすく、地方や未接道では下がります。

大切なのは、複数社を比べて回ることではなく、再建築不可に強く、信頼して任せられる一社を見極めることです。

持ち続けても固定資産税や管理の負担、特定空家に指定されるリスクは増えていくばかりです。

まずは無料査定で価格の下限を知り、手放すかどうかをそのうえで判断してみてください。

この記事を書いた人

空き家売却ガイドは、相続した空き家の売却や活用、管理に悩む方に向けて、専門家の協力のもと情報を発信するWEBメディアです。

空き家に関する基礎知識や手続きだけでなく、共有名義・再建築不可物件・老朽化した住宅など、状況に応じた対処法も分かりやすく解説しています。

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