事故物件の売却方法は?告知義務から相場まで解説【専門家監修】

身近な方を自宅で亡くした、あるいは相続した実家が「事故物件」になってしまった。

そんなとき、「隠して売ったらまずいのだろうか」「でも正直に告げたら、そもそも売れないのではないか」「できることなら、近所や親族には知られずに手放したい」と考える方は多くいます。

結論から言えば、事故物件を売却することは可能ですが、一般的な不動産とは進め方の順序や注意すべき点が異なります

  • 告知義務を正直に果たす
  • 一律の相場に頼らず立地の需要で価格を見極める
  • 仲介で売れなければ買取に切り替える

上記の順で考えれば、周囲に知られず、かつトラブルにならずに売却することは十分に可能です。

この記事では、「実際にどう動けば事故物件を手放せるのか」を、都合の悪い事実も含めて、はじめて売却を検討する方にもわかりやすく整理します。

この記事の監修者

株式会社AlbaLink(アルバリンク)

空き家や共有持分、再建築不可物件、事故物件、ゴミ屋敷など、売れにくい不動産の買取を専門とする不動産会社。

豊富な実務知見をもとに、当記事の監修・作成協力を行っています。

  • 東証グロース上場企業
  • 年間相談件数25,000件超(2025年実績)
  • 全国の不動産に対応
目次

事故物件とは人の死によって「心理的瑕疵」がついた不動産のこと

事故物件とは、自殺・他殺・特殊清掃を伴う孤独死などの「人の死」によって、買主が心理的な抵抗を感じる、心理的瑕疵(しんりてきかし)のある不動産のことです。

※孤独死などで生じた汚れやにおいを専門の技術と薬剤で原状に近づける清掃

老衰や病死、日常生活での不慮の事故は、原則として事故物件には含まれません。

まずは、ご自身の物件が事故物件に当たるのかを見極めることが、売却の出発点になります。

事故物件とは人の死で買主が抵抗を感じる物件のこと

不動産・建築における「瑕疵(かし)」とは、その不動産が持つ欠点や不具合のことです。

瑕疵は、大きく4種類に分けられます。

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種類概要
心理的瑕疵過去の人の死などにより、買主が心理的な抵抗を感じる要因
物理的瑕疵雨漏り・シロアリ被害・傾きなど、建物そのものの不具合
法律的瑕疵再建築不可や違法建築など、法律上の制限による欠点
環境的瑕疵騒音・悪臭・近隣トラブルなど、周辺環境による要因

いわゆる「事故物件」は、このうち心理的瑕疵のある物件を指すのが一般的です。

心理的瑕疵とは、物件そのものの物理的な欠陥ではなく、買主が心理的に住み心地の良さを欠くと感じる要因のことです。

物理的な欠陥があるわけではないのに価格が下がるのは、「その部屋で人が亡くなった」という事実に対して、買主が住み心地の良さを欠くと感じるためです。

自殺・他殺・特殊清掃を伴った孤独死は事故物件になる

国土交通省は2021年、不動産取引の現場で判断が分かれていた「人の死」の扱いを整理するため、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表しました。

このガイドラインが、事故物件かどうかを判断する土台になっています。

一般に、次のようなケースは事故物件(告知が必要な物件)として扱われます。

  • 室内やその物件で自殺があった
  • 室内やその物件で他殺(事件)があった
  • 孤独死などで発見が遅れ、特殊清掃や大規模なリフォームが必要になった

ポイントは、「人が亡くなった」という事実だけで一律に決まるのではなく、事件性・社会的な影響の大きさ・特殊清掃の有無などで判断される点です。

老衰や病死・日常の不慮の事故は原則あたらない

一方で、次のようなケースは、原則として事故物件には当たらないとされています。

  • 老衰や持病による自然死・病死(発見が遅れて特殊清掃が必要になった場合を除く)
  • 階段からの転落や入浴中の事故など、日常生活の中で起きた不慮の事故死

自宅で老衰や病気により亡くなること自体は、ごく自然に起こり得ることです。

これらをすべて告知対象にすると、かえって高齢者が家を借りられない・売れないといった問題が生じます。

ガイドラインは、こうした過度な「事故物件化」への恐れを和らげる目的も持っています。

判断に迷いやすいケースを、目安として整理すると次のようになります。

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ケース告知の要否(目安)理由
階段や段差でつまずき転倒して亡くなった原則不要日常生活の中での不慮の事故のため
病気や老衰で亡くなり、発見も遅れず特殊清掃も不要だった原則不要自然死に当たるため
病気や老衰だが発見が遅れ、特殊清掃が必要になった必要特殊清掃を伴うため
室内で自殺があった必要買主の判断に重要な影響を与えるため
過去に殺人などの事件があった必要事件性・社会的影響が特に大きいため

同じ「人が亡くなった」でも、事件性や特殊清掃の有無で扱いが変わる点がポイントです。

ただし注意したいのは、告知が原則不要なケースでも、買主から尋ねられた場合は正直に答える必要があるという点です。「言わなくてよい」と「聞かれても隠してよい」は別物です。

マンションの別室や共用部の事案でも告知が必要になる場合がある

「亡くなったのは自分の部屋ではなく、同じマンションの別の部屋だから関係ない」と考える方もいますが、そう単純ではありません。

エレベーターや廊下といった共用部、あるいは同じ建物内で社会的な影響の大きい事件があった場合は、買主の判断に影響するとして告知が必要になることがあります。

特に、住人が日常的に使う場所での事件性の高い事案は、経過期間にかかわらず告知が求められる傾向があります。

分譲マンションの一室を売る場合は、自分の部屋だけでなく、建物全体で過去にどんな事案があったかも関わってきます。

判断に迷うときは、後述するように事故物件の取り扱い実績がある会社に確認するのが安全です。

事故物件には告知義務が必要!隠して売るとトラブルになるため注意

事故物件を売るときは、過去に起きた人の死を買主へ伝える「告知義務」があります。

売買では告知義務に時効がなく、何十年前の事案でも伝える必要があり、隠して売って後から発覚すれば、契約解除や損害賠償に発展しかねません。

遠回りに見えても、正直に告知することが、結果的にトラブルなく手放す近道です。

告知義務とは重要な事実を買主に伝える義務のこと

告知義務とは、買主の購入判断に重要な影響を与える事実を、売主や不動産会社が事前に伝えなければならない義務のことです。

事故物件における「人の死」は、まさにこの重要な事実に当たります。

告知は、売主自身が把握している情報を不動産会社に伝え、不動産会社が買主に説明する、という流れで果たされます。

「知らなかった」で済まされるとは限らず、売主が知り得た事実を隠していた場合には責任を問われることがあります。

売買では告知義務に時効がなく何十年前でも伝える必要がある

多くの方が誤解しているところですが、不動産の「売買」では、告知義務に明確な時効(期限)が定められていません。

「3年経てば告知しなくてよい」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、それは主に賃貸の目安です。

売買の場合は、10年前でも数十年前でも、買主にとって重要と考えられる事案であれば、伝える必要があると考えておくのが安全です。

賃貸は原則3年で告知不要だが社会的な影響が大きいなら残る

賃貸借契約の場合は、ガイドライン上、自然死や日常の事故を除く人の死について、おおむね3年が経過すれば、原則として告げなくてよいとされています

ただし、これには例外があります。

  • 殺人事件など事件性が特に高い場合
  • 当時ニュースやネットで報道され、広く知られている場合

こうしたケースでは、3年を過ぎても、社会的な影響が大きいとして告知が必要と判断される傾向があります。

「3年ルール」は万能ではなく、あくまで例外を含んだ目安だと理解しておきましょう。

なお、私たちが物件を取り扱う際は、ガイドライン上は告知が不要なケースであっても、把握している事案は期間を問わずすべてありのままに開示する方針をとっています。

あとから「本当は知っておきたかった」と買主に感じさせないためです。それが入居後の近隣トラブル(噂などによるもの)を防ぎ、長い目で見て双方の安心につながると考えています。

告知は口頭ではなく告知書として書面に残すのが安全

事故物件の告知は、口頭で伝えるだけでは不十分です。

「言った・言わない」の争いを避けるため、告知書(物件状況報告書)や重要事項説明書といった書面に残すのが安全です。

書面には、次のような項目を具体的に記載します。実際に記入する際は、わかる範囲でこれらを書き出しておくと、不動産会社との共有がスムーズです。

  • いつ(発生した時期)
  • どこで(室内・浴室・共用部など具体的な場所)
  • どのような死因か(病死・自殺・事件など)
  • 発見までの期間
  • 特殊清掃やリフォームの有無
  • 事件性・報道の有無

たとえば「〇年〇月・浴室・病死・発見まで約〇週間・特殊清掃あり」といった形で、事実を淡々と残します。

どこまで書くべきか判断が難しい場合は、不動産会社と相談しながら整理していくとよいでしょう。

告知を怠ると契約不適合責任として損害賠償や契約解除になる

告知義務を果たさないと、どうなるのでしょうか。単に気まずいというだけでは済みません。

事故物件であることを隠して売却し、あとから発覚した場合、売主は契約不適合責任を問われる可能性があります。

契約不適合責任とは、引き渡した物件が契約内容と異なる場合に、売主が修補・代金の減額・損害賠償・契約解除などの責任を負う制度のことです。

つまり、隠して売っても、あとから買主に知られれば、損害賠償を請求されたり、契約そのものを解除されて代金の返還を求められたりするおそれがあります。

せっかく手放したはずの物件が、より大きなトラブルとなって戻ってくるのです。だからこそ、告知は自分自身を守るためにも欠かせません。

事故物件に一律の相場はない!需要次第で1割減から買い手ゼロもある

事故物件に、一律の相場はありません。

下落幅は死因と立地の需要によって大きく変わり、好立地なら1割程度の値引きで済むこともあれば、地方では半値でも買い手がつかないこともあります。

よく言われる「〇割減」という数字は、あくまで需要がある前提での目安にすぎない、と理解しておくことが大切です。

事故物件の相場が下がる原因は抵抗を感じる買主が多いこと

そもそも、なぜ事故物件は価格が下がるのでしょうか。

建物の性能が落ちるわけではありません。理由は明確で、「事故物件には住みたくない」と感じる買主が一定数いて、需要が細るからです。

実際、「事故物件には住みたくない」と感じる方は少なくばく、買い手の母数が減れば売主は価格を下げて需要を掘り起こすしかありません。

これが、事故物件の価格が下がる根本的な仕組みです。

逆に言えば、価格の下がり方は「その物件をどうしても欲しい人がどれだけいるか」という需要の強さで決まります。だからこそ、一律の相場では語れないのです。

下落幅は死因の重さによって変わり他殺ほど大きくなる

とはいえ、目安がまったくないと判断のしようがありません。

まず需要のある都市部を前提にすると、死因の重さによって下落幅にはおおよそ次の傾向があります。

いずれもアルバリンク社が全国で買取相談を受けてきた現場での実感にもとづく目安で、公的な統計ではない点に注意してください。

死因売却相場の下落幅(目安)
孤独死・自然死・病死(特殊清掃を伴うもの)1割程度の下落
自殺1.5~2割程度の下落
他殺(事件性が高いもの)4~5割程度の下落

死因の事件性・社会的な影響が大きくなるほど、下落幅も大きくなります。そして次の項で見るとおり、地方・郊外ではこれよりさらに大きく下がります

他殺のように事件性が極めて高いケースでは、価格を大きく下げても買い手が見つからないこともあります。

好立地なら1割減で済むが地方は半値でも売れないこともある

事故物件の売却相場でもっとも誤解されやすい点ですが、同じ死因でも、立地によって下落幅はまったく違います。

ただし、都市部の物件は下落幅が小さく、地方・郊外の物件ほど下落幅が大きくなる傾向ははっきりしています。

都市部は「事故物件でも、この立地・この価格なら買いたい」という人が一定数いるため、値引き幅が小さくても買い手が見つかります。

一方、もともと需要の少ない地方や郊外では、事故物件という要素が加わることで買い手がほぼいなくなります

半値にしても売れない、値段のつけようがないというケースも珍しくありません。

たとえば、同じ「自殺があった一室」でも、都市部で駅に近く需要の高いマンションなら1割ほどの値引きで買い手が見つかることがあります。

ところが、人口が減り続ける地方の戸建てでは事情が違います。同じことが起きても、半値どころか、価格を大きく下げても問い合わせすら入らないことがあります。

以下は、死因とエリアを掛け合わせた減価の目安です。これも、アルバリンク社の買取実績にもとづく目安であり、実際は立地の需要によって大きく振れます。

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死因の種類都市部の目安地方の目安
孤独死・自然死・病死(特殊清掃を伴うもの)1割程度減3~5割程度減
自殺1.5~2割程度減5割程度減
他殺(事件性が高いもの)4~5割程度減7~8割程度減、または買い手がつかない

「〇割減で売れる」という一般論を地方の物件にそのまま当てはめると、いつまでも売れずに固定資産税だけがかかり続ける、という事態になりかねません。

事故物件は家賃も1~3割下がり収益価値も落ちる

売却だけでなく、賃貸に回す場合も影響があります。

事故物件は家賃も1~3割ほど下がる傾向があります(こちらも都市部より地方のほうが下落幅が大きくなります)。

家賃が下がるということは、アパートやマンションなどの収益物件として見たときの価値も落ちるということです。

「貸して収益を得ながら様子を見よう」と考えても、想定していた家賃では貸せず、投資物件としての評価額も下がってしまう点には注意が必要です。

相場を自分で正確に調べるのは難しく査定依頼が現実的

「自分の事故物件がいくらで売れるか、まず自分で調べたい」と思うのは自然なことです。

ただ、事故物件の相場を個人が正確に調べるのは、現実的にはかなり難しいのが実情です。

事故物件は取引事例そのものが少なく、通常の相場情報サイトには、事故物件としての価格はほとんど反映されません。

事故の記録を集めたサイトなども存在しますが、そこから自分の物件の売却価格を割り出すことはできません。

結局のところ、死因・立地・建物の状態を踏まえて価格を出せるのは、事故物件の取り扱い実績がある会社です。

やみくもに多くの会社へ相談するよりも、事故物件を実際に扱っている信頼できる専門業者に査定を依頼するほうが、現実的で確かな金額の目安がつかめます。

事故物件の売却方法は仲介と買取の2つ!売れ残りのリスクで選ぼう

事故物件の売却方法は、大きく「仲介」と「買取」の2つです。

仲介は高く売れる可能性がある一方で買い手が現れにくく、買取は価格が下がる代わりに数日~1週間で現金化でき、契約不適合責任を免責にできます

売れ残るリスクをどこまで許容できるかで、選び方が変わります。

まず、両者の違いを整理します。

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比較項目仲介による売却買取による売却
売却価格高くなる可能性がある仲介より下がる傾向
売却までの期間数か月~年単位になることも数日~1週間程度
買い手一般のマイホーム購入者不動産会社が直接買い取る
契約不適合責任売主が負う免責にできるケースが多い
広告出す(周囲に知られる可能性)出さない(知られにくい)
残置物・特殊清掃自分で対応が必要なことが多い現状のまま買取可のケースあり
仲介手数料かかる原則かからない

仲介は高く売れる可能性があるが買い手が現れにくい

仲介とは、不動産仲介会社に買い手を探してもらい、見つかった個人などへ売却する方法です。

買主が見つかれば、買取よりも高い価格で売れる可能性があります。

ただし、事故物件の場合、この「買主が見つかれば」というところが最大の関門です。

買い手が現れないまま、数か月から年単位で売れ残ることも珍しくなく、その間も固定資産税や管理の手間はかかり続けます。

「高く売れるかもしれない」というメリットと、「いつまでも売れないかもしれない」というリスクは、常に裏表だと考えておく必要があります。

仲介の買い手は一般のマイホーム購入者のため敬遠されやすい

なぜ、仲介では買い手が現れにくいのでしょうか。

それは、仲介で家を買う人の多くが、そこに住むための一般のマイホーム購入者だからです。

自分や家族が長く暮らす家を探している人にとって、「過去に人が亡くなった家」は、価格が安くても選びにくいのが自然な心理です。

前述のとおり、事故物件に抵抗を感じる人は少なくありません。

つまり、仲介の主な買い手層と、事故物件を避けたい層は大きく重なっています。だからこそ、事故物件は仲介の土俵では売れにくいのです。

買取なら数日~1週間で現金化でき契約不適合責任も免責にできる

もう一つの方法が買取です。

不動産の買取とは、不動産会社が買主となって事故物件を直接買い取る売却方法のことです。

買取には、事故物件の売主にとって大きなメリットがあります。

早く現金化できる

買い手を探す必要がないため、条件が合えば数日~1週間程度で売却が完了します

契約不適合責任を免責にできる

買主が不動産会社(プロ)になるため、あとから「知らなかった」というトラブルが起きにくく、契約不適合責任を負わない形で売却できるケースが多くあります

周囲に知られにくい

広く買い手を募集しないため、近所や親族に知られずに手放せる可能性が高くなります

価格は仲介より下がる傾向がありますが、「売れ残る不安から早く解放されたい」「知られずに確実に手放したい」という方には、現実的な選択肢になります。

残置物や特殊清掃が済んでいなくても現状のまま買取可能

事故物件では、「家財(残置物)が残ったまま」「特殊清掃やリフォームがまだ」という状態も多いものです。

仲介でそのまま売り出すのは難しく、先に片づけや清掃の費用を自分で負担しなければならないこともあります。

一方、買取であれば、残置物が残ったまま・特殊清掃が済んでいない状態でも、現状のまま買い取ってもらえるケースがあります

片づけや清掃、リフォームにかかる手間と費用を自分で抱え込まずに済むのは、遠方に住んでいる方や、心理的に室内へ立ち入るのがつらい方にとって、大きな負担軽減になります。

立地の需要と死因の重さと売り急ぎ度で売却方法を選ぼう

では、自分は仲介と買取のどちらを選べばよいのでしょうか。

次の3つの軸で考えると整理しやすくなります。

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判断の軸仲介が向くケース買取が向くケース
立地の需要都市部など需要が強い地方・郊外など需要が弱い
死因の重さ事件性が低く影響が小さい事件性が高く敬遠されやすい
売り急ぎ度時間をかけてもよい早く・確実に手放したい

3つの軸が「仲介寄り」に多く当てはまるなら、時間をかけて高値を狙う仲介も選択肢になります。

逆に「買取寄り」が多いなら、無理に仲介で売れ残るより、買取で早く確実に手放すほうが結果的に負担が小さくなります。

ご自身の物件と状況を、この3軸に当てはめて考えてみてください。

【状況別】あなたの事故物件はどう売却するのが現実的?

事故物件の売り方は、置かれた状況によって現実的な選択肢が変わります。

相続した直後なのか、遠方に住んでいるのか、近所に知られたくないのか、すでに売れ残っているのか。

ここでは、よくある状況ごとに、無理のない進め方を整理します。ご自身のケースに近いものから読んでください。

相続した事故物件はまず相続登記を済ませてから売却する

親が亡くなった実家が事故物件だった、というケースは少なくありません。

この場合、売却の前に相続登記(名義変更)を済ませる必要があります。亡くなった方の名義のままでは、不動産を売却できません。

2024年からは相続登記が義務化されており、放置すると過料の対象になる可能性もあります。

まずは名義を相続人に移すことが第一歩です。相続人が複数いる場合は、誰がどう引き継ぐかの話し合い(遺産分割協議)も必要になります。

相続の進め方は「実家を相続したらどうする?状況別の対処法や手続きの流れを解説」、空き家として相続した後の選択肢については「空き家の相続をしたらどうすべき?放置するリスクから最適な選択肢まで解説」もあわせてご覧ください。

知られず売りたいなら広告を出さない買取が向く

「事故物件を売ることを、近所や親族に知られたくない」これは、事故物件を手放す方がもっとも多く抱える気持ちの一つです。

仲介では、物件情報を広く公開して買い手を募集するため、チラシやネット広告から周囲に気づかれる可能性があります。

一方、買取であれば、不動産会社が直接買い取るため広告を出す必要がなく、周囲に知られずに取引を進めやすくなります

「知られたくない」という気持ちは、決して後ろめたいものではありません。

広告を出さずに完結できる買取は、プライバシーを守りながら手放したい方にとって安心して選べる方法です。

遠方で通えなくても写真と書類だけで売却を進められる

「相続した実家が遠方にあり、何度も通えない」という方も多いはずです。

現地に行かなければ売れないのでは、と不安に感じるかもしれませんが、その必要はありません。

事故物件の取り扱いに慣れた会社であれば、物件の写真や登記簿などの書類をベースに査定を進められます

売却までのやり取りも書類中心で完結するケースがほとんどです。写真が撮れない場合でも、その旨を伝えれば会社側で調査して対応してくれます。

というのも、会社側は問い合わせを受けると、住宅地図などで駅からの距離・道幅・周辺環境を調べます。そのうえで、どう再生・売却するかの見通しを立ててから連絡してくるためです。

そのため、売主が現地に立ち会わなくても話が進むことが多いのです。

特に、室内に立ち入るのが心理的につらい場合や、高齢で移動が難しい場合でも、写真と書類を中心に負担少なく手続きを進められます

遠方だからと諦める前に、まずは資料ベースで相談できないかを確認してみましょう。

仲介で売れ残り・断られたなら買取へ切り替える

「仲介に出したが、何か月も買い手がつかない」「そもそも不動産会社に取り扱いを断られてしまった」こうした状況の方こそ、読んでいただきたい項目です。

一般の不動産会社は、事故物件のような売れにくい物件の取り扱いを避けることがあります。

断られたのは、あなたの物件に価値がないからではなく、その会社が事故物件を売るノウハウや出口を持っていないからです。

こうしたときの現実的な出口が、事故物件に強い買取会社への切り替えです。

事故物件に強い買取会社は、買い取った物件を特殊清掃やリフォームで再生し、投資用などの出口で活用するノウハウを持っています。

だからこそ、一般の買い手が敬遠する物件や、他社が断った物件にも値をつけられることがあるのです。

「他社に断られた自分の物件を、相談していいのだろうか」とためらう方もいますが、事故物件を扱う会社にとって、他社で断られた物件の相談はごく日常的なことです。

「どこにも売れない」と一人で抱え込む前に、事故物件に対応する会社へ相談する価値は十分にあります。

どうしても売れないなら費用を払って引き取ってもらう方法もある

地方や郊外の事故物件では、買取でも値がつかず、解体や処分にかかる費用が売却価格を上回ってしまうことがあります。

こうした場合の最終手段が、費用を払って引き取ってもらう方法(有料での引き取り)です。あまり語られませんが、事故物件の売却では実際にある選択肢です。

売主が費用を負担してでも手放したくなる背景には、終わりの見えない負担があります。

持ち続けるだけで固定資産税や管理費、火災保険料がかかり続け、倒壊や近隣被害が起きれば所有者として責任を問われます。

資産のはずが、持ち続けること自体が「負債」になっている状態です。

これは決して「あなたの物件に価値がない」という話ではありません。費用を払ってでも、終わりのない負担と不安から解放され、次の世代に問題を残さずに済むという、前向きな整理の選択肢です。

どうしても売れないと感じたら、有料での引き取りも含めて、正直に相談してみてください。

金額は「査定額」ではなく「処分にかかる費用(解体費や残置物の処分費など)の見積もり」として示されます。だからこそ、なぜその金額になるのかを一つずつ確認しながら判断できます。

親族と共有名義の事故物件は自分の持分だけでも売れる

相続した事故物件を、きょうだいなど複数人で共有しているケースもあります。

「他の共有者と話がまとまらず、売るに売れない」という状態は少なくありません。

このとき知っておきたいのが、自分の持分だけなら、他の共有者の同意がなくても売却できるという点です。

共有者との関係がこじれていて話し合いが難しい場合でも、自分の持分を買い取ってもらう形なら、単独で手放せます。

共有名義の不動産の売り方は、共有名義の不動産を売る方法で詳しく解説しています。

分譲マンションやアパートは他の入居者への配慮が必要

戸建てだけでなく、分譲マンションの一室やアパート一棟が事故物件になることもあります。この場合、戸建てとは違う配慮が必要です。

分譲マンションでは、管理組合や他の住人との関係があり、売却の動きが伝わりやすい環境です。

同じ建物内での事案は資産価値全体に影響することもあり、掲示板や口コミで広まらないよう、広告を出さない買取が向いています。

アパート一棟の場合は、他の入居者がいる状態での売却になることも多く、既存の賃貸借契約の扱いも関わってきます。

入居者を退去させる必要はなく、賃貸借契約を引き継いだまま(オーナーチェンジの形で)売却できるケースもあります。

「空室にしてから売らなければならない」と思い込む必要はありません。いずれも、周囲への影響を抑えながら進めたいところです。

こうした集合住宅特有の事情も、事故物件の取り扱い実績がある会社であれば踏まえて対応してくれます。

事故物件を売却する流れ|特殊清掃から引渡しまでの5ステップ

事故物件の売却は、ざっくり以下のような流れで進みます。

  • 特殊清掃・遺品整理
  • 相続登記
  • 相談・査定
  • 売買契約
  • 決済・引渡し

特に相続した物件は、名義変更が済んでいないと売却できないため、早めの準備が要点になります。あらかじめ売却全体の流れをつかんでおきましょう。

特殊清掃・遺品整理で室内を原状に近づける

孤独死などで室内の汚れやにおいが残っている場合は、特殊清掃(専門の技術と薬剤で汚れやにおいを原状に近づける清掃)が必要になります。

あわせて、故人の家財を片づける遺品整理も行います。

ただし、これらを必ず売主が先に済ませなければならないわけではありません。

前述のとおり、買取なら特殊清掃や遺品整理が済んでいない現状のままでも買い取ってもらえるケースがあります

費用や手間を抱え込む前に、どこまで自分で行う必要があるかを会社に相談すると無駄がありません。

相続した物件は相続登記で名義を売主に移す

相続した物件を売る場合は、相続登記(名義変更)を済ませる必要があります。亡くなった方の名義のままでは売却できないためです。

相続人が複数いる場合は、遺産分割協議で誰が引き継ぐかを決め、その内容にもとづいて登記を行います。

登記には戸籍謄本や遺産分割協議書などの書類が必要で、慣れない方には手間がかかる手続きです。司法書士に依頼することもできます。

取り扱い実績がある会社に相談して査定を受ける

次に、事故物件の取り扱い実績がある会社に相談し、査定を受けます。

ここで大切なのは、やみくもに何社にも声をかけるのではなく、事故物件を実際に扱っている信頼できる会社を選ぶことです。

査定の前には、物件の所在地・広さ・築年数・現況(空き家か居住中か)、そして人の死に関する内容(いつ・どこで・どんな死因か・発見までの期間・特殊清掃の有無)などを聞かれます。

あらかじめ整理しておくと、相談がスムーズです。あわせて、次の書類があると手続きが早く進みます。

  • 課税明細書または納税通知書(固定資産税額がわかるもの)
  • 登記簿謄本・購入時の契約書類
  • 測量図(あれば)
  • 権利証(登記識別情報)

権利証が見つからない場合でも、手続き自体は可能です。よくある相談ですので、その旨を伝えれば会社側が対応してくれます。

告知内容を書面にまとめ売買契約を結ぶ

査定に納得できたら、売買契約を結びます。

このとき、事故物件に関する告知内容を告知書(物件状況報告書)や重要事項説明書にまとめ、書面で残すことが重要です。

売買契約時には、買主から手付金(契約時に買主が支払う代金の一部)を受け取るのが一般的です。

契約書には、告知した内容や、契約不適合責任をどう扱うか(買取では免責とすることが多い)といった条件が盛り込まれます。内容をよく確認してから契約しましょう。

決済・引渡しで残代金を受け取り所有権を移す

最後に、決済・引渡しを行います。

買主から残りの代金を受け取り、物件の所有権を買主に移転(登記)して完了です。

住宅ローンなどの抵当権(住宅ローンの担保として不動産に設定される権利)が残っている場合は、このタイミングで残債を返済し、抵当権を抹消します。

ここまで済めば、事故物件を正式に手放したことになります。抱えていた不安や負担から解放される瞬間です。

事故物件の売却でかかる費用と税金|特殊清掃・解体・譲渡所得税

事故物件の売却では、特殊清掃費、(更地にする場合の)解体費、譲渡所得税、印紙税などがかかります。

更地化は費用がかさむうえに固定資産税が上がることもあり、必ずしも得策ではありません。かかる費用の全体像を押さえておきましょう。

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費用・税金目安負担者
特殊清掃・遺品整理費状態により数万~数十万円仲介=売主/買取=業者負担のケースあり
解体費(更地にする場合)数十万~百万円単位売主(更地化は要検討)
譲渡所得税利益が出た場合に課税売主
印紙税契約金額により数千~数万円売主
仲介手数料(仲介の場合)売買価格×3~5%+消費税が上限目安売主(買取は原則不要)

特殊清掃費は室内の状態によって数十万円単位で変わる

特殊清掃の費用は、室内の状態や広さ、作業の範囲によって大きく変わります。

汚れが限定的なケースから、床材の張り替えや消臭作業まで含む大規模なケースまであり、数万円で済むこともあれば、数十万円かかることもあります

遺品整理(残置物の撤去)も、家財の量によって費用が変わります。

目安としては、次のように状態が悪化するほど段階的に上がっていくとイメージしておくとよいでしょう。

残置物の状態撤去・清掃にかかる費用(目安)
家具・家電が少し残っている程度数万~十数万円ほど
ほとんど片づけが手つかず十数万~数十万円ほど
いわゆるゴミ屋敷状態数十万円以上かかることも

ここで多くの方が「結局、自分で片づけや清掃の費用を先に用意しないといけないのか」と不安になります。

しかし、これらの費用や手間は、買取であれば業者が負担してくれるケースもあります

自分で全額を抱える前に、どこまで対応してもらえるかを確認しておきましょう。

更地にすると解体費がかかり固定資産税は最大6倍に

「建物を解体して更地にすれば売れやすくなるのでは」と考える方は多いですが、注意が必要です。更地化には、見落とされがちなデメリットがあります。

第一に、解体費が数十万~百万円単位でかかります

第二に、住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」で固定資産税が軽減されていますが、建物を解体すると特例から外れ、土地の固定資産税が最大で6倍になることがあります

たとえば、建物付きのときに土地の固定資産税が年間5万円だったとします。更地にすると、これが年間30万円程度まで上がるケースもあります(税額は評価額により異なります)。

そして第三に、更地にしても、その土地で人が亡くなったという心理的瑕疵は消えず、告知義務も残ります

つまり、更地にしても事故物件でなくなるわけではなく、費用と税負担だけが増えてしまうこともあるのです。

解体は、費用と効果をよく見極めてから判断すべきで、独断で進めるのは避けましょう。

売却益には譲渡所得税・契約書には印紙税がかかる

税金面では、主に次の2つがかかります。

譲渡所得税

売却によって利益(譲渡所得)が出た場合にかかる税金です。取得費や譲渡費用を差し引いて利益が出たときに課税されます。相続した物件では、取得費が不明なケースもあり、計算方法に注意が必要です。

参照:譲渡所得の計算のしかた(分離課税)

印紙税

売買契約書に貼る印紙代です。契約金額に応じて決まり、多くの個人の取引では数千円~数万円程度です。

参照:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

事故物件は取得時より値下がりしていることも多く、その場合は譲渡所得税がかからないこともあります。

たとえば、地方の戸建てを仲介で700万円で売るケースを考えます。相続した物件で利益が出なければ譲渡所得税はかからず、印紙税は数千円程度です。仲介手数料は上限で約30万円弱かかります。

ここに特殊清掃や遺品整理の費用が数十万円加わると、手元に残る額はさらに目減りします。

一方、同じ物件を買取で手放す場合は、価格が仲介より下がります。

ただし清掃・片づけの費用を業者が負担し、仲介手数料もかかりません。そのため「差し引きでどちらが手元に多く残るか」は、売却価格だけでは決まりません。

相続した事故物件は3000万円特別控除を使える場合がある

相続した実家が事故物件だったケースでは、一定の条件を満たすと「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」により、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる場合があります。

この特例が使えれば、譲渡所得税の負担を大きく抑えられます。

主な条件
  • 昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた家であること
  • マンションなどの区分所有建物でないこと
  • 相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売ること
  • 耐震基準を満たすリフォームをするか建物を取り壊して売ること
  • 売却代金が1億円以下であること

条件が細かく、事故物件では個別の判断も必要になります。適用できるかどうかは、売却前に税務署や税理士に確認しておくと安心です。

仲介の場合は売買価格の3~5%+消費税の仲介手数料がかかる

仲介で売却する場合は、成約時に不動産会社へ支払う仲介手数料が発生します。

金額の上限は法律で定められており、売買価格が400万円を超える部分では「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限の目安です。

参照:不動産取引の仲介手数料について

一方、買取では、不動産会社が直接の買主になるため、原則としてこの仲介手数料はかかりません

手数料の有無も、仲介と買取を比べるときの一つのポイントです(どちらが手元に多く残るかは、売却価格そのものと合わせて考える必要があります)。

売却にかかる費用や手間は買取なら業者負担のケースもある

ここまで見てきた特殊清掃費・遺品整理費・(更地にする場合の)解体費・登記費用などは、仲介で自分が売主として売る場合、基本的に自己負担になります。

一方、買取の場合は、残置物の撤去や特殊清掃、登記にかかる費用や手間を、買取会社が負担してくれるケースがあります

「費用を先に持ち出す余裕がない」「そもそも現金を用意するのが難しい」という方にとっては、初期費用をかけずに手放せるかどうかは大きな違いです。

見積もりの段階で、どこまで負担してもらえるかを確認しておくとよいでしょう。

事故物件を後悔なく売却するために押さえておくべき注意点

最後に、事故物件を後悔なく売るために押さえておきたい注意点をまとめます。

ポイントは、隠さないこと・独断で解体しないこと・信頼できる一社に相談することです。

いずれも、あとから「知らなかった」と後悔しないために欠かせません。

隠して売ると後から契約解除や損害賠償を求められる

繰り返しになりますが、事故物件の売却では、「隠さないこと」がもっとも重要です

事故物件であることを隠して売っても、近隣への聞き取りや過去の記録から発覚することが多く、あとから契約解除や損害賠償を求められるリスクが残ります。

「バレなければいい」という考えは、結果的に自分を大きなトラブルに巻き込みます。

売買では告知義務に時効がないことも踏まえ、正直に告知したうえで売ることが、遠回りに見えて最も安全な道です。

告知義務がない死でも不動産会社には正直に伝える

自然死や日常の事故など、告知義務が原則ない死でも、不動産会社には正直に伝えておくことをおすすめします

告知が必要かどうかの最終的な判断は、事案の内容によって微妙に分かれます。

売主が「これは言わなくていいだろう」と自己判断で伏せてしまうと、本来は告知すべきだったケースを見逃すおそれがあります。

まずはすべて不動産会社に共有し、告知の要否は専門家と一緒に判断するのが安全です。

独断で解体しない|更地でも心理的瑕疵は消えない

「更地にすれば売れる」と考えて、相談前に独断で解体してしまうのは避けましょう。

前述のとおり、更地にしても土地の心理的瑕疵は消えず、告知義務も残ります。

それどころか、解体費がかかり、固定資産税が上がる可能性もあります。

解体すべきかどうかは、その土地の需要や出口を踏まえた判断が必要です。

まずは解体せずに現状のまま売れないかを含めて、会社に相談してから決めましょう。

お祓いや供養は必須ではないが気持ちの整理になる

事故物件を売る前に「お祓いや供養をした方がよいのか」と気にされる方もいます。

結論として、お祓いや供養は売却の必須条件ではありません。したからといって告知義務がなくなるわけでも、価格が確実に上がるわけでもありません。

ただし、亡くなった方への気持ちの整理として行う方は少なくありません。売主自身の心の区切りとして、あるいは買主に対する誠意として選ぶ方もいます。

お祓いや供養は、費用や手間と相談しながら、必要と感じれば行う、という位置づけで考えておくとよいでしょう

根拠のない高値を出し契約直前で減額する会社に注意する

事故物件の売却先選びでは、査定額の高さだけで飛びつかないよう注意が必要です。

中には、契約を取るために根拠のない高い査定額を提示し、契約直前になって難癖をつけて金額を下げてくる会社も残念ながら存在します。

高い金額を見せられると期待してしまいますが、大切なのは「なぜその金額になるのか」を筋道立てて説明してくれるかどうかです。

死因・立地・建物の状態を踏まえた根拠のある査定かを、冷静に見極めましょう。

取り扱い実績のある信頼できる一社に相談する

事故物件は、通常の不動産以上に「どの会社に相談するか」で結果が変わります。

大切なのは、事故物件の取り扱い実績があり、告知や価格の根拠を正直に説明してくれる、信頼できる一社を見つけることです。

やみくもに多くの会社へ声をかけると、そのたびに事情を説明する負担がかかり、情報が広がるリスクも増えます。

それよりも、事故物件を実際に扱ってきた会社に絞って相談するほうが、精神的にも実務的にも負担が軽く、納得のいく売却につながります

まとめ|事故物件は「知られずに・正直に」売却できる

事故物件の売却は、通常の不動産売却よりも、告知義務・相場・世間体という重い悩みがつきまといます。

しかし、順を追って整理すれば、道筋は見えてきます。押さえるべきことは、大きく次の3点です。

第一に、告知義務は正直に果たすこと。売買では時効がなく、隠せばかえって契約解除や損害賠償という形で自分に返ってきます。

第二に、相場は一律ではないこと。死因と立地の需要で大きく変わり、地方では売れないこともある一方、買取という出口があります。

第三に、信頼できる一社に相談すること。事故物件の取り扱い実績がある会社なら、知られずに・現状のまま・費用の負担を抑えて手放せる可能性があります。

「近所に知られたくない」「他社に断られた」「正直に言うと売れないのでは」といった不安を抱えたまま、固定資産税と管理の負担を一人で背負い続ける必要はありません。

事故物件は、正直に、そして周囲に知られずに手放せる可能性があります。

まずは自分の物件の死因・立地・現況を書き出して整理するところから、一歩を踏み出してみてください。

事故物件の売却に関するよくある質問(FAQ)

事故物件であることを隠して売ったらバレますか?

発覚するケースは少なくありません。近隣への聞き取りや「大島てる」などの記録、登記情報から過去の経緯がわかることがあり、売買では告知義務に時効がないため、隠すと契約解除や損害賠償のリスクが残ります。正直に告知したうえで売る方が安全です。

事故物件の告知義務は何年で消えますか?

売買契約では告知義務に時効はなく、何十年前の事案でも伝える必要があります。賃貸ではおおむね3年で原則として告げなくてよいとされますが、事件性や報道があった場合は期間を問わず告知が必要です。

建物を解体して更地にすれば告知は不要になりますか?

なりません。更地にしても土地の心理的瑕疵は消えないため、告知義務は残ります。解体費がかかるうえ固定資産税が上がることもあり、安易な更地化はかえって負担が増えることがあります。

近所や親族に知られずに事故物件を売ることはできますか?

できます。一般に広く買い手を募集する仲介と違い、不動産会社が直接買い取る買取なら広告を出さずに取引でき、周囲に知られにくくなります。プライバシーを重視したい方に向いた方法です。

マンションの別室で事件があると自分の部屋も事故物件ですか?

自分の部屋そのものでなくても、同じ建物内や共用部で社会的影響の大きい事案があった場合は、告知が必要になることがあります。判断に迷う場合は、事故物件の取り扱い実績がある会社に相談すると安全です。

この記事を書いた人

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